一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

環境汚染

空気リテラシー入門(1):室内空気は「固体・液体・蒸気・気体・反応生成物」の混合体

室内空気は「固体・液体・蒸気・気体・反応生成物」の混合体 ― 見えない空気の正体をひもとく 家の中の空気は“ひとつの化学系” 「外よりも、家の中の空気のほうが汚れている」——これは都市伝説ではなく、国内外の研究で繰り返し報告されている事実です。室…

なぜ? 存在しないかのように扱われる代替PFAS

1. 有機フッ素化合物(PFAS)とは 有機フッ素化合物(PFAS)とは、炭素とフッ素が強く結びついた構造をもつ化学物質のファミリーの総称です。現在その種類は約12,000にのぼり、今も増え続けています。PFASは「水や油をはじく」「熱や薬品に強い」という特徴…

日米欧の水道水事情を徹底比較 その2

本記事では、水道水に塩素消毒が導入された歴史的背景とその理由を振り返りつつ、水道水が、塩素消毒では解決できない「化学汚染」に脅かされつつある実態を探ってみました。 なぜ水道水を塩素消毒するようになったのか ―その始まりと、今も続く安全神話― 私…

毒か薬かは「量」で決まる ──パラケルススの格言をどう受けとめるべきか?

毒か薬かは「量」で決まる──パラケルススの格言をどう受けとめるべきか? 16世紀の医師パラケルススは、こんな言葉を残しました。 「すべての物質は毒である。毒でないものはなく、量が毒か薬かを決める。」 この考え方は、現代の毒性学の基本にもなっていま…

EUのマイクロプラスチック規制

EUは、マイクロプラスチック規制を推進しています。以下、EUの公式サイトRestriction of microplastics in the EU from 17 October 2023 | Access2Markets の日本語訳です。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報センター代表理事 上岡みやえ EUの…

日米欧5ヵ国の水道水事情を徹底比較 その1

飲んでも大丈夫?処理方法や塩素基準に注目! 日米欧の水道水事情を比較してみると 水道水は、「そのまま飲める」「煮沸が必要」など、国によって、事情が異なります。特に、塩素使用量や水処理方法は、健康を守る観点からも見逃せないポイントです。本記事…

香りマーケティングの光と影

香りマーケティングの光と影 ブランド戦略と社会的影響 近年、ホテルや自動車業界、小売業界などさまざまな分野で「香りマーケティング」が活用されています。香りは記憶や感情と深く結びついているため、ブランドイメージを定着させ、顧客の体験を向上させ…

EUのグリーンウォッシング禁止法:環境広告の誤解を正すまでの歴史

近年、世界中で「環境に優しい」と謳う広告が増えています。 しかし、その多くは誇張されていたり、根拠が曖昧なまま消費者を誘導する「グリーンウォッシング」の典型例となっています。 EUはこの問題を早くから認識し、2024年には「グリーンウォッシ…

化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)化学物質や廃棄物の有害な影響から解放された世界へ

化学物質に関するグローバル枠組みGlobal Framework on Chemicals(GFC) 化学物質や廃棄物の有害な影響から解放された世界へ PPT) 化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)の概要 PDF) 化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)) 化学物質は私たちの日常生活…

厚生労働省は「国民の皆様の声」を募集しています

「国民の皆様の声」募集 送信フォーム 厚生労働省は、「国民の皆様の声」を募集しています。そこで、当センターは、2025年1月13日、香害ポスターを一歩進めた「香害リーフレット」を作成してほしいという要望書を作成し、提出しました。 タイトル:香害リー…

パブリックコメントとは

パブリックコメントは政策に反映されるのか?

香料原料一覧表 by 香害★基礎資料作りプロジェクト②

香害★基礎資料作りプロジェクト 香料原料に関する情報、必要だよね、だけどないよね、あったら見るよね、助かるよね、だったら作ろう!と始まったのが、香害★基礎資料作りプロジェクトです。 現在、このプロジェクトに賛同し、調査協力を申し出てくださった…

子どもを守る!緊急集会 資料

子どもを守る!緊急集会 と き 2022年11月21日月曜日 9:30-12:00 ところ 北谷町北前区公民館 主 催 地域でワクワクする会 ガイド一社)化学物質過敏症・対策情報センター 代表理事 上岡みやえ 子どもを守る!緊急集会 昭和時代には珍しかった、アレルギー、…

香料原料一覧表 by 香害★基礎資料作りプロジェクト①

香害★基礎資料作りプロジェクト香料原料に関する情報、必要だよね、だけどないよね、あったら見るよね、助かるよね、だったら作ろう!と始まったのが、香害★基礎資料作りプロジェクトです。現在、このプロジェクトに賛同し、調査協力を申し出てくださった協…

琉大ジャーナル 学生新聞が注目してくれた!化学物質過敏症

琉球大学人間社会学科(社会学専攻)マスコミ学コースが発行する学生新聞に、化学物質過敏症についての概説とともに、私へのインタビュー記事が掲載されました! 大学生が化学物質過敏症について興味をもってくれて、色々勉強してくれて、当事者に取材してく…

化学物質と病気と不妊と

化学物質とは 化学物質は、科学的には、元素や元素が結びついたものを、化学物質と呼びます。ですから、自然のものも、人間が作ったものも、全てが化学物質です。 毎日、食べている塩はナトリウムと塩素からできた化学物質です。水も化学物質です。サトウキ…

腸内細菌による環境汚染物質の解毒⑥ 翻訳

以下、The gut microbiota: a major player in the toxicity of environmental pollutants? 2016 「腸内細菌による環境汚染物質の解毒」という論文の翻訳です。 腸内細菌による環境汚染物質の解毒⑤ の続きです。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報セ…

腸内細菌による環境汚染物質の解毒⑤ 翻訳

以下、The gut microbiota: a major player in the toxicity of environmental pollutants? 2016 「腸内細菌による環境汚染物質の解毒」という論文の翻訳です。 腸内細菌による環境汚染物質の解毒④ の続きです。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報セ…

腸内細菌による環境汚染物質の解毒④ 翻訳

以下、The gut microbiota: a major player in the toxicity of environmental pollutants? 2016 「腸内細菌による環境汚染物質の解毒」という論文の翻訳です。腸内細菌による環境汚染物質の解毒③ の続きです。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報セ…

腸内細菌による環境汚染物質の解毒③ 翻訳

以下、The gut microbiota: a major player in the toxicity of environmental pollutants? 2016 「腸内細菌による環境汚染物質の解毒」という論文の翻訳です。腸内細菌による環境汚染物質の解毒② の続きです。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報セ…

腸内細菌による環境汚染物質の解毒② 翻訳

以下、The gut microbiota: a major player in the toxicity of environmental pollutants? 2016 「腸内細菌による環境汚染物質の解毒」という論文の翻訳です。 腸内細菌による環境汚染物質の解毒① の続きです。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報セ…

腸内細菌による環境汚染物質の解毒① 翻訳

以下、The gut microbiota: a major player in the toxicity of environmental pollutants? 2016 「腸内細菌による環境汚染物質の解毒」という論文の翻訳です。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報センター代表理事 上岡みやえ 目次 要約/Abstract …

内分泌かく乱物質

以下、アメリカ国立環境衛生科学研究所(NIEHS)「内分泌かく乱物質」 National Institute of Environmental Health Sciences, Endocrine Disruptors の翻訳です。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報センター代表理事 上岡みやえ 内分泌かく乱…

PFAS

フッ素=フッ素化合物の原料 20℃以上で気体、吸入すると生命に危険呼吸器、肝臓、腎臓の障害長期使用によって、骨、歯、呼吸器、生殖器 (男性)の障害 PFAS(フッ素系界面活性剤) 4,700を超える化学物質で構成されており、広く使用されている人工化学物質のグ…

都市部の大気汚染 排ガスと香料製品が原因だった

以下、NOAA RESEARCH NEWS, Fragrant consumer products a key source of ozone-forming pollution in New York City NOAAリサーチニュース「ニューヨーク市のスモッグは香料製品が主原因だった」という記事の翻訳です。 ※NOAA:National Oceanic and Atmosp…

知られざる環境汚染物質 

現代の大気汚染や水汚染の主原因は、なんと・医薬品とパーソナルケア製品・車両交通・ファッションです。 増え続ける化学物質 2020年、化学物質の総数は2億種類を突破 増え続ける難病患者 深刻化する環境汚染 プラスチック汚染 洗剤によるマイクロプラスチ…

ビタミン剤や医薬品の知られざる恐怖「残留溶剤」

ビタミン剤や医薬品の知られざる恐怖 医薬品製造には「溶媒」が使用されます。有害性の高い化学物質も「溶媒」として使用されています。 例えば、アセトニトリルは、中枢神経毒性が高いことがわかっている物質ですが、サルファ剤(抗菌薬)やビタミン剤B1の…

カナダ労働安全衛生センター 職場の無香化にむけて(翻訳)

以下、カナダ労働安全衛生センター 職場の無香化に向けて Canadian Centre of Occupational Health and Safety, Scent-Free Policy for Workplace の翻訳です。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報センター代表理事 上岡みやえ 職場の無香化にむけて …

衣類乾燥機の排気に含まれる洗剤成分・香料成分 翻訳

以下 Chemical emissions from residential dryer vents during use of fragranced laundry products 2013 「香料配合洗剤を使用中の衣類乾燥機から排出される化学物質」という論文の翻訳です。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報センター代表理事 …

超微粒子の健康への影響 Nature掲載論文 翻訳

以下、Nature誌に掲載された論文The health effects of ultrafine particles 2020 の翻訳です。 翻訳文責:一社)化学物質過敏症・対策情報センター代表理事 上岡みやえ 超微粒子(PM 0.1)の健康への影響 概要/Abstract イントロダクション 粒子の数 PM0.1…