一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

【化学者監修済】うまれ変わる生活術 -change-

うまれ変わる生活術 -change- 全6巻

 

『 うまれ変わる生活術 -change- 』 (化学者監修済)は、環境汚染から身を守る生活術を、効果を得やすい順番にまとめた情報体系です。

高価な装置や医療に頼るのではなく、衣食住・空気・水の安全性を高めていくほうが、からだ本来の回復力を引き出す力になるからです。

どこから手をつければいいのか。
何を優先すればいいのか。
・・・もう、迷わなくていい。

『 うまれ変わる生活術 -change- 』が、あなたの心と体を、安全なところへと導きます。


うまれ変わる生活術 -change- 全6巻

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【環境汚染から身を守るための鉄則】

・化学物質過敏症(MCS)~バスタブモデルを理解しよう!

・蛇口をしめて、バスタブと排水口を大きくしていこう!

・レッスンの順番どおりに進めよう!

 

 

化学物質過敏症(MCS)とは

化学物質過敏症(MCS:Multiple Chemical Sensitivity)は、ごく微量の化学物質に反応して体調不良をおこす病です。医学者による疫学調査によって、日本では、化学物質過敏症の有病率が、成人の7.5%にのぼることが判明しています。*1

発症機序については解明されていませんが、柔軟仕上げ剤、衣料用洗剤、香水、芳香剤、接着剤、建材、塗料、殺虫剤、防虫剤、たばこの煙、シャンプー、整髪剤、化粧品などに含まれる有害物質に反応しやすいことが分かっています。

化学物質過敏症(MCS)の症状は多様です。人によって、呈する症状と、その度合いが大きく異なります。下表は、化学物質過敏症(MCS)の症状例です。*2 

 

出典: カナダ・アルバータ州に提出された調査報告書より *2

 

ここに示されている以外にも、例えば、光をまぶしく感じる、音に過敏になる、下痢、頻尿などの症状を訴える人もいます。ありとあらゆる心身症状が現れうることが、化学物質過敏症(MCS)の特異的なところです。

化学物質過敏症(MCS)は不治の病とも言われており、治療法は確立されていません。完治する人は極めて稀です。

つらい症状をおさえるには、症状を誘発させる物質を避けることが、最も有効な対処法であるとされています。


【参考資料】

*1 Prevalence and Characteristics of Chemical Intolerance: A Japanese Population-Based Study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25137616/
*2 MULTIPLE CHEMICAL SENSITIVITY LITERATURE REVIEW AND STATE OF THE SCIENCE 2021, prepared for Public Health and Compliance Division Alberta Health
https://bit.ly/32YdfM8

 

 

化学物質過敏症(MCS)のバスタブモデル

バスタブモデルとは、心身へのストレスが限界を超えたとき、化学物質過敏症(MCS)を発症・悪化させるという考え方を、バスタブにたとえて視覚化したものです。 

 



「ストレス物質」とは、環境中に存在し、心身に負担を与える物質を指します。

「ストレス因子」とは、睡眠不足や疲労の蓄積、温度、湿度、日光など、体調を左右する生活や気象の要因です。

蛇口から出る水はストレス物質とストレス因子、バスタブは体、バスタブの大きさは心身の耐性、排水口は体内にたまった異物や老廃物を外に出す力(=排出力)を表しています。

『うまれ変わる生活術 -change-』は、バスタブに水をあふれさせないための具体的な方法を、効果が出やすい順にまとめた情報体系です。


▶ 水と蛇口 = ストレス物質・ストレス因子

水は、ストレス物質・ストレス因子を表しています。蛇口の数を8つに絞り込むことで、それぞれの特徴を把握しやすくしています。



▶ バスタブ = ストレス物質/因子への耐性

バスタブは体、バスタブの大きさは、ストレス物質やストレス因子への耐性をあらわします。

耐性の個人差は大きく、年齢、性別、体質、健康状態、腸内環境など、様々な要素が関係しています。



▶ 排水口 = 有害物質/老廃物の排出力

排水口は、体内に蓄積された有害物質や老廃物を排出する力をあらわします。
呼吸・排泄・発汗・月経などが代表的な排出ルートです。

これらの働きが滞ると、体内にストレス物質がたまりやすくなり、症状を悪化させる要因になります。

 

 

バスタブモデルとのつきあい方

 

バスタブから水をあふれさせないためには、蛇口を閉めて、バスタブと排水口を大きくしていくことが必要です。

摂取量の多い蛇口から閉めることと、バスタブを小さくしないことが、重要なポイントです。

 

▶ 摂取量の多い蛇口から閉める

私たちが摂取する物質の、8割以上が空気です。ヒトは毎日、飲食の5倍以上の重量の空気を取り込んでいます。そのなかで最も摂取量が多いのは、室内の空気です。*3 

 

出典:『住まいと人体-工学的視点からー』 *3

 

空気は、肺を通して、直接的に血液の中に取り込まれます。血液は、わずか50秒で全身を一巡するといわれています。*4 

 

室内空気に含まれる有害物質の発生源には、建材、家具、電気製品、洗剤や防虫剤などの日用品、調理器具、暖房器具、喫煙などが挙げられます。これに加えて、屋外の大気成分も室内に流入します。 *5

世界保健機関(WHO)は、空気汚染が原因で、2012年には370万人が早期死亡したと推定しています。なかでも早期死亡者が多い地域は、西太平洋地域(日本を含む)です。*6 

室内空気中の有害物質を減らす生活術を実践することは、病気対処法としても、病気の予防法としても、極めて合理的だといえるでしょう。



▶ やせないように気をつけよう

化学物質は、脂肪組織に蓄積されやすいことが知られています。急な減量を行うと、血液中の化学物質濃度が上昇することが報告されています。*7*8 

 

      

ヒトの血液中の 「残留性有機汚染物質(POPs)*9」 の濃度と、体重減少の関係を調べた研究では、体重1キロ減少するごとに、血液中のPOPs濃度が2~4%上昇し、さらに減量から1年後も、血液中のPOPs濃度の上昇傾向が続くことが示されています。*8

 

残留性有機汚染物質(POPs)とは

環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積しやすく、地球上で長距離を移動する、そして人や生態系に有害な影響を及ぼす化学物質を「残留性有機汚染物質(POPs)」といいます。ダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニル)、DDTなどが代表例です。*9

 

カロリー制限食、断食、強度の高い運動などによって、短期間のうちに体脂肪を減らすと、血液中の有害物質濃度が高まり、予期せぬ体調悪化を招く恐れがあります。

とくに化学物質過敏症(MCS)の人は、体重減少によって血液中の化学物質が増えたときの悪影響を受けやすい 「ハイリスクグループ」 に属していると思われます。

体脂肪率を急激に落とさないことは、化学物質過敏症(MCS)にとってのリスク低減策となります。

 

 【参考資料】
*3 『住まいと人体-工学的視点からー』 村上周三 臨床環境医学第9巻第2号 
*4  日経BP 心臓の機能とは
https://nkbp.jp/3IW3NYv
*5 揮発性有機化合物(VOC)による室内空気汚染の実態 日衛誌, 64, 683-688 (2009)
*6 WHO Expert Consultation: Available evidence for the future update of the WHO Global Air Quality Guidelines (AQGs) 2015
https://bit.ly/34UlJV2
*7 Adipose Tissue as a Site of Toxin Accumulation
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6101675/
*8 Increased blood levels of persistent organic pollutants (POP) in obese individuals after weight loss—A review
https://bit.ly/3s3e52J
*9 環境省 POPs 残留性有機汚染物質
https://www.env.go.jp/chemi/pops/pamph/mat00_2.pdf

 

 

化学物質過敏症(MCS)
治療に際してのリスク要因
化学物質過敏症(MCS)を治すために、西洋薬・漢方薬・ビタミン剤・ミネラル剤・栄養ドリンクなどを飲む、薬物療法を受ける、運動をして汗を流す、肉食をやめる、カロリー制限食や断食に取り組むなど、様々な方法を試す人がいます。

しかし、これらの取り組みは、代謝機能が低下し、恒常性(ホメオスタシス)の維持が難しくなっている化学物質過敏症(MCS)の身体に、さらなる負担やダメージを与える可能性があります。

理由は下表の通りです。

 

【参考資料】
*10  Why vitamin pills don't work, and may be bad for you - BBC Future
https://bbc.in/3sFCmfs

 

 

『 うまれ変わる生活術 -change- 』

『 うまれ変わる生活術 -change- 』 は、有害物質の摂取量を減らし、有害物質の体外への排出量を増やし、有害物質への耐性を高めていくための生活術を、効果が出やすい順番にまとめた情報体系です。
全6巻 全60のレッスンで構成されています。

・できるだけお金をかけず

・できるだけ今の家で

生活環境中の有害物質を低減させることを目指しています。


▶ できるだけお金をかけず

筆者の元には、化学物質過敏症(MCS)対策に数百万円~数千万円を費やしたものの、回復するどころか悪化してしまったという声が寄せられてきます。

ー 転居を繰り返したが良くならない
ー 根拠不明な情報に振り回され、かえって体調を悪化させてしまった
ー 自然素材の家を建てたものの、入居後、具合が悪くなってしまった

月々の治療費に数万円を費やしている人は少なくありません。なかには、毎月数十万円を投じている人もいます。

しかし、化学物質過敏症(MCS)の治療法は、いまだ確立されていません。

ビタミン療法や漢方薬療法など、さまざまな方法が試みられていますが、科学的な根拠や効果の一貫性については、十分に確認されていないのが現状です。

『うまれ変わる生活術 -change-』では、
室内環境を改善するための機器やグッズの購入に、目安として20〜30万円ほどかかりますが、転居を繰り返すことなく「自宅を安全な空間に整える」ことができると考えれば、この金額は決して高くありません。

実際、生活環境が整うことで、体調が安定し、医療費や無駄な出費が減っていく方が多いのです。

長期的に見れば、購読料や機器・グッズの費用はすぐに回収できます。

まじめに取り組んでいった暁には、「からだ」も「家計」も応援する投資になったと実感いただけることでしょう。


 できるだけ今の家で 

転居には多額の費用がかかります。転居先が必ずしも安全とは限りません。

内覧のときは問題がなかったのに、実際に暮らしてみると、前の家と大差ない症状が出てしまう。そんなケースが多いのです。

転居を重ねるほど、経済的にも精神的にも追い詰められていきます。

また、100%安全な環境で暮らせたとしても、化学物質過敏症(MCS)が完治するわけではありません。

アリゾナ州スノーフレークには、化学物質過敏症(MCS)の人々が集まって暮らす集落がありますが、そこで暮らせば症状は出ないものの、治った人はいないのです。*11

転地療養や避難移住に費用をかけるよりも、今の家の安全性を高める努力をするほうが、肉体的にも経済的にも負担が少なく、長く続けられます。

施工不良住宅である、近隣にゴミ処理施設や変電所がある、あるいは周辺の化学物質濃度が異常に高いなど、明確な危険要因がある場合は別ですが、今の家の安全性を高めながら住み続けることが、もっとも現実的で合理的なのです。



▶ レッスンの順番通りに取り組むことが大切
『うまれ変わる生活術 -change-』の前半では室内環境の改善、後半では腸内環境の整え方、食事の質の高め方、そして自宅で行えるセルフケア術について解説しています。

レッスンは、効果が出やすい順に構成されています。
順番を無視して取り組むと、やせてはいけない段階で体重が落ちてしまい、体調を崩すおそれがあります。

最初に取り組むべきは、室内環境の改善です。室内空気中の有害物質の量が減ると、当然ながら、日々の有害物質摂取量も減っていきます。

食事については、「量」や「カロリー」を減らすよりも、「質」を高めることが大切です。食事の質が高まれば、食べることが楽しくなり、少量でも満足できるようになります。

腸内細菌の数と種類を増やすことも大切です。食べたものは、腸内細菌の働きによってはじめて消化・吸収されるからです。

室内環境を整え、腸内環境を整え、食事の質を高めたうえで、セルフケア術を取り入れていくと、体内に蓄積された有害物質や老廃物が排出されやすくなります。

生活術のひとつを実践しただけで劇的な変化が起きるわけではありませんが、レッスンを順番どおりに実践し、日々継続していくことで、少しずつ確実に、体本来のリズムが整っていきます。

 

【参考資料】
*11  Allergic to life: the Arizona residents 'sensitive to the whole world'
https://bit.ly/3BjptvA

 

eBook うまれ変わる生活術-change- 

全6巻 全60のレッスン 

レッスン内容についてのご質問は、各巻3つまで無料対応しています。

責任をもって丁寧に対応していますので、安心してご相談ください。


📘 各巻概要

 第1巻 全109ページ 

体と空気の状態を<見える化>する / 入浴術と洗濯術

第2巻  全117ページ

空気と水の質を整える / 快適で安全な空気のつくり方

第3巻  全108ページ

自宅内の安全ゾーンを増やす / 寝室の整え方と掃除術

第4巻  全107ページ

からだの巡りを整える / セルフケア術・車・電磁波・塗料

第5巻  全113ページ

安全な食は道具選びから始まる / キッチン管理術・食事術

第6巻  全101ページ

食の安全性を高める / 食事術・運動術・回復してきたときの心得