一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

子どもを守る!緊急集会 資料

子どもを守る!緊急集会

と き 2022年11月21日月曜日 9:30-12:00 

ところ 北谷町北前区公民館

主 催 地域でワクワクする会

ガイド
一社)化学物質過敏症・対策情報センター 代表理事 上岡みやえ

 

 

子どもを守る!緊急集会

昭和時代には珍しかった、アレルギー、ウツ、自閉症、発達障害、不登校など、心身の不調に苦しむ子供が増えています。沖縄の中学校では、クラスに7-8人の不登校児がいることが当たり前になってきています。

子どもの数は減っているのに、特殊学級にはいる子どもの数は増える一方です。

昭和時代の小中学校では、考えられなかった事です。

なぜ、こんなことに・・・?

主たる原因のひとつとして考えられるのは、心身に不調をきたす有害物質が、生活環境中に氾濫していることです。

PFOA・PFOSによる環境汚染もそのひとつです。沖縄では、米軍基地由来の水汚染が問題になっています。

PFOA・PFOSによる水汚染は深刻な問題です。更に恐ろしいことに、今の生活環境には、PFOA・PFOSと同じくらい、あるいは、PFOA・PFOSよりも危険性が高い有害物質が氾濫しています。

PFOA・PFOSによる水汚染を解決していくとともに、生活環境全体を見直していかねばなりません。そのためには、保護者・学校・自治体・議員のあいだで、生活環境の汚染に関する情報を共有し、知恵を出し合っていくことが必要です。

 

本日は、環境汚染について説明差し上げるとともに、皆さまからお知恵を乞うために、お集まりいただきました。

皆さまのお力と、お知恵が必要です。何卒よろしくお願いいたします。

 

 

本日のスケジュール

9:30-10:30

  環境汚染の全体像を把握する

  化学物質の危険有害性を正しく知る

  全員を守るために「弱い人」にあわせる

  沖縄県議会あての請願書について

  質疑応答

10:30-11:45

  子どもを守るための意見交換

11:45-12:00

  意見交換のまとめ

 

 

環境汚染由来の人体汚染

いまの生活環境には、数えきれないほどの環境汚染物質(有害化学物質、有害金属、放射性物質、電磁波など)が氾濫しており、そうした環境汚染物質による人体汚染が進んでいます。できるだけ大きな視点から環境汚染の全体像を把握し、環境汚染物質の総使用量を減らしていく努力が必要です。

 

 

 

Pharmacokinetics of toxic chemicals in breast milk: use of PBPK models to predict infant exposure

Exposure to toxic elements via breast milk

Heavy Metals in Breast Milk: Implications for Toxicity

Global Perspectives in Breast Milk Contamination: Infectious and Toxic Hazards

 

 

Heavy metals (lead, cadmium and mercury) in maternal, cord blood and placenta of healthy women

Concentrations of persistent organic pollutants in maternal and cord blood from the maternal-infant research on environmental chemicals (MIREC) cohort study

Human Fetal Exposure to Triclosan and Triclocarban in an Urban Population from Brooklyn, New York

 

 

 

 

 

有害物質をとりこむルート

 

 

 

 

有害物質を取りこむルート「吸う」

食べ物の5倍以上の空気を吸っている!

ヒトは、1日に、1000mlのペットボトル1万本の空気を吸っています。重さでは10キロ以上になるそうです。

ヒトは、1日に2キロの水や食べ物を摂取しているといわれます。ヒトが1日に吸う空気の重さは、飲食の5倍に相当します。

 

吸い込んだ空気は肺を通して血液中に入りこみます。血液は数十秒のうちに体内を一周します。

 



 

 

 

有害物質を取りこむルート「飲む」「食べる」

 

 

 

有害物質を取りこむルート「さわる」

化粧品やパーソナルケア製品の多くに、皮膚吸収されやすいマイクロカプセルやナノ粒子が配合されています。

 

 

The Average Woman Puts 515 Synthetic Chemicals On Her Body Every Day Without Knowing

 

 

 

 

有害化学物質

私たちの生活空間には、数えきれないほどの化学物質が氾濫しています。その多くが有害物質です。

 

 

身の回りにある、ありとあらゆるものに、有害化学物質が使われています。製造・使用・廃棄を通して、環境中に有害化学物質が放出され続けています。

 

 

 

 

 

大気汚染

大気汚染物質は

・道路由来
・パーソナルケア製品

に大別されることが、アメリカ海洋大気庁の調査によって判明しました。

抽象的な画像

 

コロラド州ボルダーという、人口密度の低い地域で行われた測定では、大気汚染物質の42%はパーソナルケア製品由来、58%は道路由来であることが示されました。
ニューヨークでは、大気汚染物質の78%がパーソナルケア製品由来、22%が道路由来でした。

アメリカ海洋大気庁:NOAA Research News

 

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コロラド州ボルダー

 

 

 

 

Arizona Wildfires Seize on Chaotic Winds and Parched Forests - The New York  Times

 

出典:NASA Fire

 

 

 

 

 




室内空気の汚染

有害化学物質は、ごく普通の生活空間に存在しています。

室内の空気汚染は、大気汚染の2~5倍になると試算されています。大気の500倍以上の汚染が確認された家も存在します。外の空気より、室内の空気のほうが有害である可能性が高いのです。

 

INDOOR AIR POLLUTION-A Threat


 

水汚染

海水にも淡水にも、様々な化学物質、金属、放射性物質、プラスチックなどがたれ流されており、地球規模の水循環によって、地球そのものの汚染が進んでいます。



医薬品による水汚染





世界中の河川から、避妊薬や抗がん剤、抗うつ薬が検出されています。民家も工場もない国立公園の小川からも、です。

英国環境庁(Environment Agency)が、環境汚染の原因物質として特に問題視している上位10物質は、すべて医薬品の成分です。
・ロフェプラミン
・デキストロプロポキシフェン
・プロシクリジン
・トラマドール
・パラセタモール
・クロトリマゾール
・チオリダジン
・メベベリン
・アミノフィリン
・タモキシフェン

(抗うつ剤、麻薬、解熱鎮痛剤、抗菌薬、向精神薬、喘息薬、ホルモン剤などの成分)

Pharmaceuticals and personal care products (PPCPs) in the freshwater aquatic environment

 

 

 

 

国連レポートDrugged Water には、「現代医学は環境への呪い」とまで書かれています。

画像



 

プラスチックによる水汚染

 

ゴミ大陸

海洋には、日本より大きな面積を有する、ゴミ大陸が出現している

 

太平洋のゴミの島に新たな「イカダ生態系」が誕生 : 日本•国際 : hankyoreh japan

 

 

プラスチックの微細化がすすんでいる!

 

 

マイクロカプセルとは

カプセルの素材:主にプラスチックが使われている

カプセルの中身:ナノサイズの香料、医薬品、インクなどのナノ粒子

 

 

 

洋服を叩いたり触ったりするとカプセルが壊れ、香料成分が放出される

 

衣類の繊維に付着したマイクロカプセルの写真
画像

 



プラスチックによる水汚染

 

水道水・ペットボトル水はプラスチック摂取源

 

 

水道管の劣化 

劣化した水道管を通ってきた水は、有害物質の摂取ルートのひとつです。

 

画像:静岡県磐田市環境水道部水道課

 

 

東京都水道局

 

鉛製の給水管をお使いのご家庭では…

通常の使用状態では厚生労働省の水質基準に適合しており問題ありませんが、水道水が管の中に長時間滞留すると水質基準を超える鉛が溶け出すことがあります。
朝一番に水道水を使うときや、しばらく水道水を使わなかったときは、念のためバケツ1杯程度の最初の水は、散水など飲用以外にお使いください。


多摩水道改革推進本部調整部技術指導課

 

 

 

ナノテクノロジーの恐怖

 

粒子径と表面積

 

 

ナノ粒子

同じ物質・同じ質量であっても、ナノ粒子化されていると表面積が大きくなるため、思わぬ危険有害性が発現することがあることが指摘され始めています。

 

 

ナノ粒子は、より大きなPM2.5が通過できない方法で、肺の壁を通過して血流に入る可能性があります。血流に入ると、それらは肺に与えるのと同じ炎症損傷を引き起こします。しかも、体内のあらゆる臓器や動脈に到達するサイズなのです。

政府当局は、PM2.5を質量で監視しているため(数百万のナノ粒子はマイクログラムという単位では測定できないことがあります)、政府の報告書は、真のリスクを過小評価するものになっているのです。

 

BBC Future  The toxic killers in our air too small to see 2019 

 

 

 

人工香料:有害なプラスチックとナノ粒子

 

高残香性の柔軟剤

香り成分は、有害なプラスチックと有害ナノ粒子でできている

マイクロカプセル技術によって香りが強く長く持続するようになった柔軟剤は、衣類・寝具・カーテンをナノサイズのプラスチックと有害化学物質で汚染し、河川と海、ひいては飲料水のプラスチック汚染を加速させています。

 

 

放射性物質の人体への影響

遺伝子の異常を引き起こすこと、ガンや免疫疾患、遺伝障害など、ありとあらゆる病気の原因になりうることが知られています。子どもは細胞分裂を繰り返して成長するため、染色体異常を起こすことの将来的リスクは計り知れません。

 

通常、エラーを起こした染色体は、2-3年のうちに体外に排出されていきますが、食べたり吸い込んだりしてしまった放射性物質が体内に残ってしまうと、そこから放出される放射線によって異常染色体が増え続けると言われています。

内部被曝による染色体異常

 

 

 

放射性物質による土・水・食べ物の汚染

高濃度の放射性物質とともに生きざるを得ない時代に突入

 

農業環境技術研究所:チェルノブイリ原発事故に伴う農業環境への放射能汚染調査

 

上表をもとに地図化した図⇩

農業環境技術研究所:農地土壌の放射性物質濃度分布の把握

 

 

 

 

ドラム缶詰めされた放射性廃棄物(原子力発電によって発生する核のゴミ)は長期保管しなければなりませんでした⇩

 

フィンランドでは⇩

映画『100,000年後の安全』公式サイト

 

 

福島県内では、表土(高濃度に放射能汚染された部分)を取り除く「除染」が進められていきました。

 

袋詰めされた除染土(高濃度に放射能汚染された土)が積み上げられている様子⇩
毎日新聞

規制庁:汚染土再利用、諮問認めず「環境省、説明不十分」 | 毎日新聞

 

除染土は「フレコンバッグ」袋に詰められていきました。フレコンバッグとは、土砂・穀物・飼料・灰などを入れる袋です。放射性廃棄物を長期保管するように設計されてはいないため、時間経過とともに破損して、雑草が生い茂るようになっていきました。

 

フィンランドのように「10万年間 保管できる場所」を持たない日本では、野ざらしになった除染土(高濃度に放射能汚染された土)の再利用を進めることになりました。放射性廃棄物の「基準値」が大きくゆるめられました。

 

環境省:100Bq/Kgと8000Bq/Kgの違いについて

 

 

 

100Bq/Kg超は、ドラム缶詰めされて長期保管されていた放射性物質は、8000Bq/Kg以下なら焼却してもよいことになり、さらには、いつのまにか、8000Bq/Kg以下なら、「再利用」してもよいことに変わっていきました。

福島民友新聞

 

 

 

食べて応援・・・!?

沖縄県で販売されているお米や生鮮食料品の多くは県外産です。



 

 

 

急激な人口減少が始まっている

 

総人口の推移(平成17年10月~23年10月/2005年10月~2011年10月)

総人口の月別推移

 

総人口の推移(平成17年10月~26年10月/2005年10月~2014年10月)

 

 

総人口の推移(平成18年10月~28年10月/2006年10月~2016年10月)

働き方改革って何?~概要と目的~:読むだけで分かる! 経営とITトピックスの駆け込み寺:オルタナティブ・ブログ

 

総人口の推移(平成22年10月~令和3年10月/2010年10月~2021年10月)

総人口の推移

 

 

総人口の推移(平成22年10月~令和3年10月/2010年10月~2021年10月)

 

 

 

 

化学物質の危険有害性の調べ方

GHSとは

化学物質・金属類の危険有害性の分類方法の世界統一基準

 

GHSは化学品の危険有害性を世界的に統一された一定の基準に従って分類し、 絵表示等を用いて分かりやすく表示し、その結果をラベルやSDS(Safety Data Sheet:安全データシート)に反映させ、 災害防止及び人の健康や環境の保護に役立てようとするものです。

 

 

消費者とGHS

事業者から事業者へ化学物質を販売するときには、ラベルやSDS(安全データシート)にGHSを導入することが「努力義務」となりましたが、一般消費者向けの商品には、GHS対応情報を掲載したSDSやラベルを提供しなくてもよいことになっています。

消費者としてGHSにのっとった危険有害性情報を得たい場合には、自分で調べるしか方法がありません。

 

 

世界基準の分類方法GHSにのっとった、物質の危険有害性情報を得られる公的サイト

日   本 ➢ は厚生労働省の職場のあんぜんサイトなど

ヨーロッパ ➢ 欧州化学品庁 (ECHA:European Chemical Agency)

 

 

 

 

 

トルエン

接着剤・塗料・インキ・溶剤・排ガス・染料・香料・甘味料・医薬品

厚生労働省:職場のあんぜんサイト トルエン

 

PFOA:ペルフルオロオクタン酸

厚生労働省:職場のあんぜんサイト PFOA:ペルフルオロオクタン酸

 

 

フッ化物洗口

フッ化物洗口
一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を用いて、1分間ブクブクうがいを行う方法で、永久歯のむし歯予防手段として有効です。第一大臼歯の萌出時期(就学前)にあわせて開始し中学生まで続けます。保育園・幼稚園・小中学校で集団実施されていますが、個人的に家庭で行う方法もあります。
(厚生労働省)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

化学物質の複合的影響:プールから毒ガス!?

例えば毒ガスとして使用される「塩化シアン」が、大勢の人が利用するプールの水から検出されています。その原因は、プール内で放尿する人が多いこと。尿の成分と、プールの消毒薬「塩素」が化学反応を起こした結果、毒ガス「塩化シアン」が生成されるのだそうです。

Volatile Disinfection Byproducts Resulting from Chlorination of Uric Acid: Implications for Swimming Pools

 

 

化学物質の長期的影響:流産防止薬DESシンドローム

流産防止のため妊婦に合成女性ホルモン(ジエチルスチルベストロール:DESと略す)が投与された結果、生まれた女の子の思春期に、膣がんが多発しました。DESによる膣がんは、子どものみならず、孫に出ることもあるそうです。追跡調査の結果、明らかになった被害です。
DES GRANDCHILDREN

アメリカ国立環境衛生科学研究所(NIEHS)は、妊娠中に医薬品DESを服用した女性の孫は、ADHDを発症しやすくなると報告しています。

 

・・・中学生の娘が膣がんになったとき、あるいは生まれた子がADHDと診断されたとき、自分の母親に投与された「流産防止薬」が原因だったと思い当たる人は、まず、いないでしょう。

 

プールで毒ガスが生成される。投与された薬のせいで娘や孫娘が膣ガンになる。丁寧に調べれば、丁寧な追跡調査を行えば、同じような事例が数えきれないほど出てくると想像されますが、まったくといって良いほど、何も解明されていないのが現実です。

 

 

 

有害化学物質 削減の取り組み

 

 

産業界の取り組み

危険性が指摘される物質の使用をやめて、他の物質で代替する

 

代替物質が安全とは限らない

 

PFASは、70 年以上にわたって世界中の産業および消費者向け製品で使用されてきた 9000 を超える合成化学物質のグループです。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)/国立労働安全衛生研究所 (NIOSH)

 

PFOSやPFOAは、9000種類を超える人工化学物質「有機フッ素化合物」に属する物質です。焦げ付きにくいフライパンのコーティングにPFOSとPFOAは使われなくなってきていますが、焦げ付きにくいフライパンが製造されなくなったわけではありません。PFOSやPFOAの仲間は9000種類もありますが、それらがPFOSやPFOAよりも安全であるとは証明されていません。

 

 

国際的取り組み

 

環境中での残留性が高いPCB、DDT、ダイオキシン等のPOPs(Persistent Organic Pollutants、残留性有機汚染物質)については、一部の国々の取組のみでは地球環境汚染の防止には不十分であり、国際的に協調してPOPsの廃絶、削減等を行う必要から、2001年5月、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」が採択された。
環境省

 

取組みそのものは素晴らしいです。しかし、数十年かけて、30種類ほどの化学物質を規制している間に、次々と新しい化学物質が作られ、危険有害性も分からないまま、世の中に送り出されています。

 

■環境中の有害物質を削減する取組み

 

▶ 残留性有機汚染物質(POPs)

残留性有機汚染物質(POPs)とは、環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積しやすく、生物や環境への有害性が高く、 環境に放出されると国境を越えて長距離を移動するという4つの特性をあわせもつことから、世界的な削減取組みが進められている約30種類の化学物質です。*4

 

 

 

残留性有機汚染物質(POPs)による食品汚染  *5

環境汚染物質

危険有害性

ハイリスク食品

汚染ルート

ダイオキシン類

発がん性 内分泌かく乱 生殖毒性 免疫毒性 神経毒性 糖尿病

魚介類 乳製品 肉類

ゴミ焼却炉 タバコの煙 車の排気ガス 工場ばい煙 電子機器の不法投棄や不適切処理

DDTなど農薬17種類

遺伝性疾患 内分泌かく乱発がん性 生殖毒性 神経系障害 心血管障害 肥満

魚介類 肉類 乳製品

農薬 殺虫剤

ポリ塩化ビフェニル PCB

皮膚障害 発がん性 生殖毒性 呼吸器障害 肝臓障害 免疫障害

肉類 魚介類 母乳

ゴミ焼却 塗料 変圧器・コンデンサーなどの紛失・不明・不法投棄・不適切処理

有機フッ素化合物のうち

PFOA PFOS

内分泌かく乱 生殖毒性 発がん性

魚介類 総菜 ファストフード テイクアウト

コーティング加工鍋 消火剤 洗剤 撥水スプレー 撥水繊維 食品包装材

臭素化合物BDEのうち数種類

内分泌かく乱 生殖毒性 発がん性

魚介類 肉類 乳製品 卵

難燃剤 電子機器の不法投棄や不適切処理

             

 

 

▶ 増え続ける化学物質

残留性有機汚染物質(POPs)削減に向けた取り組みは高く評価すべきことですが、 30種類程の化学物質を規制している間に、おびただしい数の化学物質が新たに開発され、生産され、環境中に放出され続けています。

 

2019年には、23億トン以上の化学物質(医薬品を除く)が生産されました。2000年の2倍量です。世界人口で割ると、一人当たり年間約300kgに相当します。*3

 

広く流通している化学物質は10万種類程だといわれますが、そのほとんどについて、危険有害性も、複合的影響も、長期的ばく露の影響もわかっていません。

 

 

出典:ケムステニュース 2015.7.10

 

 

 

指定難病を発症し、医療補助を受けている人は

40年間で90倍に

 

 

体外受精児、14人に1人

 

2019年に体外受精で生まれた子どもは過去最多の6万598人だったことが、日本産科婦人科学会のまとめでわかった。18年より3619人増加。厚生労働省の統計では19年の総出生数は86万5239人で、14・3人に1人が体外受精で生まれたことになる。

体外受精は1回あたり平均50万円と、患者の負担が課題だ。体外受精や顕微授精などを対象に、公費から上限30万円の助成金を出す制度があるが、政府は2022年度から体外受精などの不妊治療に対し、公的医療保険の適用をめざしている。

朝日新聞デジタル 2021.9.17

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶ 食糧生産のあり方の見直し

環境中へ放出された化学物質や重金属は、食物連鎖を経て、私たち人間の食べ物となって、食卓へ帰ってきます。食べ物を効率的に生産する現代的な農業や畜水産業それ自体が、環境汚染物質の排出源になってもいます。

 

▶ 現代的ライフスタイルの見直し

農薬や抗生物質はもちろんのこと、すべての化学物質の総生産量を減らすこと、できるだけ化学物質を使わないライフスタイルを確立していくことは、全人類的な課題だといえるでしょう。



 

 

化学物質過敏症に関する請願

化学物質過敏症に関する請願
提出者 一般社団法人 化学物質過敏症・対策情報センター
上岡 みやえ
紹介議員 翁長 雄治
要旨


 化学物質過敏症は、ごく微量の化学物質に反応して体調不良を起こす疾病であり、発症のきっかけ、症状及びその度合いは個人差が大きいことが特徴である。化学物質過敏症が悪化すると、学校へ行くことも働くことも困難になる。肉体的苦痛はもちろんのこと、周囲の無理解による精神的苦痛、生活が破壊されていく恐怖、経済的な困窮、将来に対する不安感などは、筆舌に尽くし難い。
 2015年に発表された疫学調査によると、化学物質過敏症の有病率は成人の7.5%に上り、子供の発症者も増えている。しかし、この病について知る医療従事者は少なく、社会的認知度も低い。化学物質過敏症の診断書を書ける医師は国内に数名しかおらず、不適切な処置により体調を悪化させている人が多いことが懸念されている。化学物質過敏症を発症させない、悪化させないために、社会的対策を講ずる必要がある。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県のホームページに化学物質過敏症の情報を掲載すること。ポスター・チラシを作成し、県内の保健所、役所及び公立病院に掲載・配布すること。
2 県内の全ての公立学校の養護教諭向けに、化学物質過敏症の勉強会を開催すること。
3 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の際に、教員及び保護者向けに化学物質過敏症の説明文書を配布すること。
4 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の問診票に、化学物質過敏症に関する質問事項を追加すること。
5 県内の全ての公立病院において、化学物質過敏症の診断書を発行できるようにすること。

 

 

1 県のホームページに化学物質過敏症の情報を掲載すること。ポスター・チラシを作成し、県内の保健所、役所及び公立病院に掲載・配布すること。

➢ 沖縄県と那覇市の公式サイトには化学物質過敏症のページが追加されました。感謝。那覇市保健所ではポスターを作成くださいました。
大きな前進ですが、化学物質過敏症について知る人が増えたとは言い難い状況です。


2 県内の全ての公立学校の養護教諭向けに、化学物質過敏症の勉強会を開催すること。

3 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の際に、教員及び保護者向けに化学物質過敏症の説明文書を配布すること。

4 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の問診票に、化学物質過敏症に関する質問事項を追加すること。

 

2・3・4
養護教諭、教員、保護者に向けて化学物質過敏症についての説明を継続することで、環境汚染の実態を知る人が増え、環境汚染から身を守ることにつながります。


5 県内の全ての公立病院において、化学物質過敏症の診断書を発行できるようにすること。

化学物質過敏症の診断書を発行している医師は日本に数名しかおられません。診断書がないために、職場や学校で窮地に立たされる人が激増しています。

沖縄県に専門医を招いて、医師向けの勉強会を開催し、すべての公立病院で診断書を発行できるようにしてください。

※化学物質過敏症の「治療」をしてくれとお願いしているわけではありません。