一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

化学物質過敏症 発症年齢と発症時期 ツイッターアンケート2021年

 

2021年11月10日から17日にかけて、化学物質過敏症を発症した年齢と時期についてツイッターアンケートを行いました。

アンケートにご協力くださった皆様、ありがとうございます。

 

 

学物質過敏症 発症年齢

アンケート時期 2021年11月10-17日
回答数244

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2年前に行ったツイッターアンケート(アンケート時期 2019年11月10-17日 回答数232)の結果との比較です。

 

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化学物質過敏症は、主として40代以降に発症するといわれてきましたが、アンケート結果からは、30代以下で発症する人が半数近くおられることがわかりました。

 

 

学物質過敏症 発症時期

アンケート時期 2021年11月10-17日
回答数270

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2年前に行ったツイッターアンケート(アンケート時期 2019年11月10-17日 回答数244)の結果との比較です。

 

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化学物質過敏症の発症者は増え続けていますが、発症ペースは、少し鈍化しているように見えます。

 

 

 

学物質過敏症の診断基準

アンケート期間中、「化学物質過敏症をいつ発症したか、ハッキリしない」「自覚したのは2年前だけど、思い返すと、その前から症状は出ていた」といったご質問を頂戴しました。

体調が悪すぎて遠方の病院までたどり着けず、確定診断をもらえない人は、自己判断するしかありません。

化学物質過敏症(MCS)かどうかを判断する基準として、1999年に採択された「化学物質過敏症:コンセンサス1999/Multiple chemical sensitivity: a 1999 consensus」をご紹介します。


シンプルで明確な診断基準なので、自己診断に利用できます。

 

化学物質過敏症:コンセンサス1999

① 慢性の経過をたどる
② 再現性をもって症状が出現する
③ 微量な化学物質に反応を示す
④ 関連性のない多種類の化学物質に反応を示す
⑤ 原因物質の除去で症状は改善される
⑥ 症状は複数の器官、臓器にまたがる

 

以下、”Multiple chemical sensitivity: a 1999 consensus”「化学物質過敏症:コンセンサス1999」という記事の翻訳です。

 

コンセンサス1999

化学物質過敏症(MCS)の定義については、豊富な臨床経験あるいは知見があり、しかし多様な意見を有する89人の臨床医・研究者を対象とした学術的調査(1989年)によって導き出されました。

それから10年の間に、上位5つの基準を否定する論文は発表されていません。

化学物質過敏症(MCS)上位5つの基準

① 慢性の経過をたどる
② 再現性をもって症状が出現する
③ 微量な化学物質に反応を示す
④ 関連性のない多種類の化学物質に反応を示す
⑤ 原因物質の除去で症状は改善される

現在追加を提案している6つ目の基準
⑥症状は複数の器官、臓器にまたがる

を含め、基準はすべて、化学物質過敏症(MCS)の症状を網羅しています。

それにもかかわらず、これらの基準は、臨床現場には採用されないまま放置されています。

アメリカ政府、イギリス政府、カナダ政府によって、湾岸戦争の退役軍人の化学物質過敏症(MCS)発症率は、比較対照群の2〜4倍にのぼることが判明しています。こうした事実に照らし合わせてみても、この診断基準の必要性は高いといえるでしょう。

ニューメキシコ州保健局とカリフォルニア州保健局の調査によって、すでに人口の2〜6%が化学物質過敏症(MCS)と診断されていること、16%の人が、一般的な化学物質に対して「異常な感受性」を訴えていることが示されています。

この有病率の高さに加えて、米国医師会・米国環境保護庁・米国消費者製品安全委員会は、「化学物質過敏症(MCS)の訴えを心因性として却下すべきではありません。精密検査が必要です(1994年)」という共同声明を発表しています。

6つの診断基準が満たされ、他の単一の器質的障害(肥満細胞症など)によっては、化学物質へのばく露による反応や症状すべてを説明できない場合には、化学物質過敏症(MCS)であると公式診断することを推奨します。

化学物質過敏症(MCS)の症状や原因について医学的研究調査が行われていますが、この疾病に苦しむ数百万人の民間人と数万人の湾岸戦争退役軍人には、化学物質過敏症(MCS)の診断基準が策定されるのを待っている余裕はありません。

 

 

 

021年の日本

医学者らによる疫学調査によって、化学物質不耐症(=化学物質過敏症)の有病率が、成人人口の7.5%であることが判明しています。(注1)

新潟県上越市が2010年7月に行った調査では、市内の小中学生の14,024名のうち1,734名(12.4%)の児童が、化学物質過敏症様の症状を呈していることがわかっています。(注2)

これらの数字を実数に直して足し合わせると、1,000万人以上となるのに対し、化学物質過敏症を診断できる病院は、国内に数院しかありません。

これは緊急事態といわざるをえません。

特に心配なのは、大人よりも子供の発症率が高いという点です。

化学物質過敏症は、公的に病名登録されている疾病ですが、いまだ知名度が低いのが現状です。化学物質過敏症について理解している医師も看護師も皆無に近い状態です。

そのため「気のせい」と思われたり「精神疾患」と誤診されることで、症状を悪化させている人は相当数にのぼるとみられます。

この状態を放置し続けるのは危険です。

・医療従事者に化学物質過敏症を正しく理解してもらう
・化学物質過敏症の社会的認知度を高める
・有害化学物質が含まれる日用品の製造・販売・使用を規制する

一刻もはやく、こうした対策を講じていかないと、社会が成り立たなくなってしまう可能性さえあります。




注1)Prevalence and Characteristics of Chemical Intolerance: A Japanese Population-Based Study, Archives of Environmental & Occupational Health, Volume 70, 2015 - Issue 6
注2)「児童・生徒(6~15才)の化学物質過敏症様症状に関するアンケート再調査