日本では3人に1人が頭痛もち
日本には4000万人の慢性頭痛患者がいます。
3人に1人の方が頭痛に苦しんでいることになります。
副作用を知らずに気軽に飲まれ続ける頭痛薬
頭が痛いというと、ほぼ100%の人が「薬を飲んだほうがいい」と言いますが、副作用の危険性を心配する人はほとんどいません。
「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」には、次のように書かれています*1
P275
A8.2 薬物乱用頭痛の診断基準
A. 頭痛は1ヵ月に15日以上存在する
B. 8.2のサブフォームで規定される1種類以上の急性期・対照的治療薬を3ヵ月を超えて定期的に乱用している1.
3ヵ月を超えて、定期的に1ヵ月に10日以上エルゴタミン、トリプタン、オピオイド、または複合鎮痛薬を使用している
2.単一成分の鎮痛薬、あるいは、単一では乱用に該当しないエルゴタミン、トリプタン、鎮痛剤、オピオイドのいずれかの組み合わせで合計月に15日以上の頻度で3ヵ月を超えて使用している
C. 頭痛は薬物乱用により発現したか、著明に悪化している
頭痛薬の服用を続けると、頭痛薬自体が頭痛を引き起こし始める可能性があります。
頭痛薬の副作用
市販の頭痛薬には通常、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使われます。代表的なものは
・アスピリン
・インドメタシン
・イブプロフェン
・ロキソニン
・アセトアミノフェン
・メフェナム酸
などです。
こうした成分の副作用について、医科大学の資料にはこのように書かれています。 *2
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用
•非特異的副作用
1.胃腸障害:もっとも多い
2.腎障害:浮腫、腎炎
3.肝障害:肝炎(劇症肝炎)
4.呼吸器障害:喘息、間質性肺炎、肺水腫
5.循環器障害:高血圧
6.その他:造血障害、皮疹、頭痛
→光線過敏症(ケトブロフェン、イブプロフェンなど)
→薬物乱用頭痛
•特異的副作用
1.アスピリン:耳鳴り、難聴
2.インドメタシン:ふらつき感、目眩、頭痛、パーキンソン病悪化、痙攣
3.フェニルブタゾン:再生不良貧血
4.イブプロフェン、スリンダク:髄膜刺激症状
5.メフェナム酸:溶血性貧血
市販薬は気軽に服用できますが、その副作用についてはあまり知られているとは思えません。
まずは医師に診断してもらってから
「急激に」「激しい」頭痛に見舞われた場合には、何か重篤な病気を発症している場合があるので、すぐに検査を受けて医師の診断を仰ぐようにしましょう。
慢性頭痛についても医師の診断を仰ぎ、重篤な疾患にかかっているのかどうかを確認することが望ましいです。
重篤な疾患にかかっていないと分かった場合には、頭痛薬に頼るのではなく、生活全般を見直して、体内に有害物質を取り込まないライフスタイルにしていくことが好ましいと思われます。
【参考資料】
*1 慢性頭痛の診療ガイドライン2013
*2 滋賀医科大学 ペインリリーフ資料