一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

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腸内環境が悪くなると甲状腺疾患になりやすくなる

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腸内細菌は、甲状腺とも深くかかわっていることがわかってきました。

 

以下、Thyroid-Gut-Axis: How Does the Microbiota Influence Thyroid Function? 2020年 「甲状腺―腸相関:腸内細菌は、甲状腺機能のどのような影響を与えているのか?」 要約翻訳です。


約/Abstract

健康な腸内微生物叢は、免疫系の活動だけでなく甲状腺機能にも有益な効果をもたらします。

逆に、腸内毒素症にかかると、甲状腺疾患を併発しやすくなります。

橋本病(HT:甲状腺機能低下症)とグレーブス病(GD:甲状腺機能亢進症/バセドウ病)は、最も一般的な、自己免疫性の甲状腺疾患(AITD)であり、セリアック病(CD)と非セリアック小麦感受性(NCWS)を併発しやすいことが知られています。

これらの疾病は、腸壁が損傷し、それによって腸の透過性が高まることによって発症します。

腸壁から、抗原(生物体内で抗体を形成・出現させる物質)が漏れ出ていきやすくなり、免疫系を活性化したり、腸管外組織との交差反応が起きたします。

腸内毒素症によって炎症性細菌株が増殖することは、甲状腺疾患(AITD)だけでなく、悪化中の甲状腺がんにもみられる症状です。

腸内細菌叢が乱れると、甲状腺が必要とする必須微量栄養素を利用できなくなる可能性があります。

ヨウ素、鉄、銅は、甲状腺ホルモンの合成に不可欠な栄養素です。セレンと亜鉛はT4をT3に変換するために必要ですし、ビタミンDは、免疫応答の調節を助けます。

これらの微量栄養素は、甲状腺疾患(AITD)に欠乏していることが多く、甲状腺を機能不全にしています。

肥満手術は、これらの栄養素の吸収量が低下する可能性があり、さらに甲状腺刺激ホルモン(TSH)とT3レベルを変化させます。

プロバイオティクスの補給は、甲状腺ホルモンと甲状腺機能全般に有益な効果を示しました。

甲状腺疾患に苦しむ患者の治療方法を考察するために、腸内細菌叢と甲状腺機能障害の相互作用について記された文献調査を行いました。

多因子の治療と予防の管理戦略を確立すること、具体的には、患者の腸内細菌の組成に応じて調整することです。

これからは、腸内細菌叢の組成と甲状腺機能、そして甲状腺機能疾患の関係性を評価することが、人間研究の原動力になっていくことでしょう。