一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

SDGs 化学物質過敏症の理解者・協力者を増やすために

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害裁判

当センター宛てに「有害な化学物質や香料のマイクロカプセルの製造と販売を即刻止めるべきではないか」「裁判に訴える動きはないか?」というお問合せがありました。

公害裁判では、被害者が、被害の因果関係を証明しなくてはなりません。これは、被害者にとって非常に不利です。

施設・研究費・人的資源に恵まれた大学の研究室であっても、何かの「因果関係」を証明するには長い年月がかかります。

化学や医学の専門家ではない人が、被害の因果関係を証明するのは、非常に難しいことです。運よく外部の研究機関の助力を得られた場合でも、勝訴できるとは限りません。

現代の公害は、多種多様な物質が混ざり合い、互いの毒性を高めあっています。化学物質の総数は、2019年5月に、1億5000万種類を超えました。特定の商品や企業だけを相手取って裁判に勝つのは困難と予想されます。

仮に裁判に勝って、1つか2つの化学物質を製造中止に追い込めたとしても、化学物質の総使用量は、増えることはあっても減ることはありません。

その毒性が問題視されるようになって、製造中止となった農薬や難燃剤がありますが、別の農薬や難燃剤が使われるようになっただけで、農薬や難燃剤そのものが使用中止になったりはしません。

代替品のほうが「はるかに安全」ならば良いのですが、代替品のほうが毒性が高かったことが、後になって判明する場合もあります。
 
 
解者・協力者を増やすために

化学物質過敏症になると、他者の協力なくしては生きていけなくなります。

ところが、化学物質過敏症を知る人はまだまだ少なく、そのことが、化学物質過敏症を取り巻く環境をつらいものにしています。

まずは、化学物質過敏症について知る人を増やしていかねばなりません。当センターとしても、特定の商品や企業を糾弾するよりも、この病の社会的認知度をあげていくことに注力しています。

【ミッション】
化学物質過敏症を発症させない、悪化させない

【活動の二本柱】
① 化学物質過敏症について正しく伝える。広める。
⓶ 環境汚染から身を守る生活術を伝える。広める。
 
最初は「化学物質過敏症なんて信じない」と言っていた知人も、当センターの活動が 沖縄のラジオ・NHK・新聞で特集されたのを知り、理解を示してくれるようになってきています。

化学物質過敏症について相談を受けてくれた那覇市議 翁長雄治氏は、「議会質問」を通して行政から「化学物質過敏症に対応する」という回答を引き出してくれました。
 
そのおかげで、当センターから那覇市へ情報提供できる運びとなり、那覇市HPには「化学物質過敏症って何?」というページが追加されました。

法廷で争うには、膨大な時間と労力が必要です。それよりも、地元の政治行政、あるいはメディアに働きかけるなどして、理解者を増やしていくほうが、はるかに効果的なのではないかと思います。


センターのミッションとSDGs

当センターは、2020年3月「おきなわSDGsパートナー」団体となりました。

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誰一人取り残さない、持続可能な開発のために作られたSDGsと、当センターのミッションは、重なる部分が多いのですが、なかでもSDGs3.9 と 12.8 は、当センターの理念と活動そのものといってよい内容になっています。 

SDGs 持続可能な開発目標


3.すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

3.9
2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。

 

12.つくる責任 つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する

 

12.8
2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

 

      
国連が提案し、日本含む多くの国々、地方自治体、民間団体などが推進しているSDGsの社会的認知度は、日々高まっています。

そのSDGsに、化学物質過敏症を守ってくれるようなゴールが設定されているのは有難いことです。

化学物質過敏症とSDGsを結びつけるようにしていけば、化学物質過敏症の助けになるような対策を、より早く、よりスムーズに実現させていけるのではないかと思います。

試行錯誤の途上ですが、引き続きがんばってまいります。