左:バイオスフィア研究所・所長 佐々木淳氏
右:インタビュアー 一社)化学物質過敏症・対策情報センター 代表理事 上岡みやえ
菌とは何か
「菌」というと、ほとんどの人は、バッチイとか、汚いとか、怖いとか、危険とか思っています。でも、よくよく考えてみると、私たちは、実は「菌」のことをよく知らないんですよね。情報が少ない。汚いというイメージしかない。そこで、佐々木さんに「菌とは何か」についてお話いただきたいと思います。
三十数億年前に、海の底で細菌が誕生して、それがどんどん進化して多細胞生物になり、さらに進化して人間が誕生しました。
三十数億年前から六億年くらい前までは、菌の世界でした。その間に、菌が、地球の環境を作ってきたんです。
昔の海は、もっと毒っぽいものが入ってましたし、昔の空気には酸素が入っていませんでした。
あらたに酸素を作り出したのはシアノバクテリアですし、毒っぽい海を、僕たちにも大丈夫な海に変えていったのは、細菌たちなんです。
細菌が作った環境に適応する形で、僕たち人間や、他の動物たちが誕生してきたわけです。
動植物たちが生まれて以降、地球環境の数値が一定になっていきました。
動物と植物は、細菌たちが作った環境の、一番良いところを維持しているに過ぎない。
人間も動植物も、地球環境を作ることはできない、それは細菌にしかできない仕事です。
地球上で、緑がなくなっていった場所はたくさんありますよね。砂漠とか、人間が開発した場所とか。
そこで、緑を増やそうと、木や植物を植えてみても、枯れてしまうんです。
なぜかというと、土のなかの細菌たちが、木や植物を作る環境を作らなくなったからなんです。それが本当のところです。
土壌バクテリアには、すごい沢山の種類があるんですが、その実態は、ほとんど分かっていません。名前もついていないし、特徴もわかっていない。1%未満しか分かっていない。
土壌バクテリアの99%以上については、その実態は、何もわかっていないんです。わかっているのは、いろんな菌たちが、動物や植物を育む環境を作っていることだけです。
だから、細菌学の偉い先生たちが、顕微鏡の中をジーッとのぞいても、全体像はつかめないんです。
植物の原型は「根っこ」です。いろんな菌が土の中で作った養分を吸収して大きくなります。
そして動物の原型は「腸」です。ミミズは、土を食べて、菌が作ってくれた栄養分を吸収して、残りをお尻から出しています。
動植物の原型を踏まえると、私たち人間の体内に棲みついている腸内細菌も、もとは土壌細菌だったと考えるのが自然です。
そう考えないと、辻褄があいません。土壌細菌と腸内細菌がイコールであると、僕は考えているし、そういう視点から、腸内細菌について研究し続けています。
つまり、土を作ってくれたのは菌や微生物だったということですね。溶岩と海しかなくて、宇宙放射線がふり注ぎ放題だった地球に、酸素とオゾン層を作り、溶岩を土に変えていき、現在の環境にしてくれたのが菌であったと。
そうです。
菌が地球環境をつくった
月と地球は同じ頃に生まれたんですが、月は砂漠ですよね。6億年前までは、地球も砂漠でした。
6億年前までは、動植物は海中にしかいませんでした。動植物の死骸が海岸線に打ち上げられると、オゾン層がないから、宇宙放射線にあたって焦げていました。
ところが、オゾン層ができた6億年前から、海岸線に打ち上げられても、焦げなくなったから、死骸にくっついていた細菌たちは、陸上でも生きていけるようになりました。
ここから陸上生物への進化が始まり、コケ類などが誕生して、植物が増えていったのです。
陸に進出した菌たちは、岩にバイオフィルムという、お台所のヌルヌルにあたるものをはりつけて、その中に棲んでいます。
菌たちは、動植物が放出する有機物、タンパク質やセルロース、脂質などを受け取って、それらを分解して分解して作り出したミネラルを、バイオフィルムの中に埋め込みます。
これが「土」なんです。
だから、細菌たちがいない月には「土」がありません。
「土」を作るには、細菌たち、その99%は実態がつかめていない細菌たちと、動植物が放出する養分が必要なんです。
だから、枯草菌とか、光合成菌とか、一種類の菌だけを投入しても、あまり意味がない。土を作るには、色々な菌がいることが必要なんです。
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