一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

明るい未来にチェンジ 化学物質過敏症 2021-5-22

 

FM那覇 土曜日夜10時~10時26分 <明るい未来にチェンジ> 動画リスト  

 

パーソナリティ

fc Kamioka : 一社) 化学物質過敏症・対策情報センター 代表理事
Gibonne  : ジャズシンガー ギボタカコ

 

2021年5月22日は、番組に寄せられたメールをご紹介しつつ、化学物質過敏症の辛さや難しさについてお話させていただきました。

 

Opening

土曜日夜10時明るい未来にチェンジの時間がやってまいりました

 

パーソナリティ のカミオカです この番組には大きなテーマが3つあります

化学物質過敏症 ベーシックインカム そしてダイレクトデモクラシーです

 

どれもお馴染みの少ない言葉かもしれませんが 実は 私たち全員の 命と生活そして生きやすさに関わる 身近で大切なテーマばかりです

 

本日のテーマは化学物質過敏症

 

化学物質過敏症とは わずかな量の化学物質に反応して 体調不良を起こす病です

発症のきっかけや症状、その度合いについて 個人差が大きいことが特徴です

 

専門家による疫学調査によって 日本ではなんと1,000万人以上の人が 化学物質過敏症であると推定されています

 

しかしこの病を理解してくれている医師は少なく 一般的な認知度も低いため 化学物質過敏症の多くは自覚なき患者です

 

化学物質過敏症の症状は様々ですが 典型的なのは 頭痛 腹痛 しびれ めまいなどです

悪化すると 外出することも 学校に行くことも 働くことも困難になっていきます

 

当たり前だった日常がことごとく破壊されてしまうのです

化学物質過敏症は本当にやっかいな病です

 

リスナーの皆様には ご自身の身を守るため 家族を守るため 生活を守るための基礎知識として 化学物質過敏症について知っていただきたいと願っています

 

化学物質過敏症を理解して明るい未来にチェンジしていきましょう

 

 

Talking

 

K) パーソナリティのカミオカです 今日もトークの相方に ジャズシンガー ギボタカコさんに来ていただきました

ギボンヌさん こんばんは

 

G)今回もお邪魔します ジャズシンガー ギボタカコです よろしくお願いよろしくお願いします

 

K) よろしくお願いします ところで私 よく考えたら、いままで自己紹介してなかったので あらためて自己紹介させてもらいます 2013年の秋に化学物質過敏症になって、まあいろいろありましたが 2018年ぐらいに寛解状態になり 2019年2020年くらいに あれ 完治したかなっていうくらい 元気になりました

 

G) 素晴らしい おめでとうございます

 

K) はい 化学物質過敏症は不治の病とも言われているので 元気になったというと 信じてくれない人もいるんですが 一応こうやって 日常生活に復帰するまでには元気になりました

 

G) すごい

 

K) はい どん底も味わいました 肉体的にもボロボロ 精神的にもボロボロでした もう頭痛くてたまらなかったです インフルエンザで40度ぐらい熱が出たときのような体調が毎日です

 

G)ほんと今の日常 笑顔からは 想像できないですね

 

K) はい それで 元気になった時に この苦しさを味わう人を増やしちゃいいけないだろうという 使命感に駆られてしまいまして 一般社団法人化学物過敏症・対策情報センターを立ち上げて 活動しています

 

G) その対策情報センターというのは何なんですか

 

K) 2つのミッションがあります 化学物質過敏症は 人様の協力がないと生きていけなくなる病気です そのことを広く社会に知っていただくために このラジオもそうなんですけど こういった病気があることを伝えていく 政治行政マスコミに働きかけていくという ミッションです

 

そして 「環境汚染から身を守る生活術」の提案です 不治の病ともいわれる化学物質過敏症ですが 私がここまで回復できたのは 徹底して「環境汚染から身を守る生活術」を続けたからです

 

患者さんに聞くと そんな対策はやってないっていう人ばかりです 私の話を聞いてもちんぷんかんぷん みたいです  私みたいなオタクの話って なかなか普通のひとには伝わらない そこで 「環境汚染から身を守る生活術」 をわかってもらえるよう広めていきたい これが2つめのミッションです

 

この2つのミッション 方向性で 活動しています

 

K) 本日は この番組に寄せてくださったお便りを 読ませていただきたいと思います 大阪府にお住まいの 林るりこさん 現在50代の女性の方 2017年に化学物質過敏症を発症したそうです

 

化学物質過敏症を発症したばかりの頃はフラフラでした スーパーの日用品売り場には独特の香りが渦巻き 野菜売り場には農薬臭が立ち込め どこに行っても倒れそうでした
(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G) すごいですねえええ 農薬臭がするというのがね なんかある意味 羨ましいですね この野菜農薬ついてるってすぐわかるっていう  羨ましいなんて言ったら きっと怒られますね 普通は感じとれないニオイなんですよね

 

K)化学物質過敏症の人って なんかものすごい高品質のセンサーみたいになるから 普通の人が感じられないような化学物質を感知できるようになります

 

例えばなんですけど この空間に ホルムアルデヒトがあるかないかっていう検査をするのに、だいたい1万円かかります

 

化学物質過敏症の人は いろんな物質を感じて この空間はよくないってなるから ひょっとすると それだけで 1000万円分の仕事(1000種類の化学物質の存在を感じる) してるかもです

 

G) 全然違うんですね

 

K)そうなんですよ 林るりこさんのお話を続けます

 

「私は精神的ストレスが症状に直結するタイプらしく 気持ちが弱っているときは めまい 頭痛 腹痛などに見舞われやすくなります

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

大変ですね 化学物質過敏症は 「ウツ」 ではないです 何か化学物質に反応して症状が出るんですが ただやはり そのストレス 精神的な恐怖 精神的な疲れ そういったものが重なると やはり症状がひどくなるんですよね

 

G) 精神不安が募ると敏感になる でもそれが精神疾患だとカン違いしないように

 

K) そうそう そこ大事なんです さすがギボンヌさん わかってくれて嬉しいです

 

ストレスをや恐怖を和らげてあげることも大切なんですけど だからといって これを精神疾患にして 化学物質過敏症であることを 無視していい話ではないんですよね

 

そして 林るりこさん ご家族の理解がなかなか得られなくて 大変みたいです

 

発症当時同居していた夫が 私の体調を理解してくれなかったことは 特につらかったです 調味料を変えただけで文句を言われました

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G)なんで? えっ? 調味料くらいいいじゃない そんな 美味しくなくなるなんてことは ないんじゃないですか 逆にグレードが高くなって 美味しくなるんじゃないですか

 

K)人によっては こんな高い醤油買いやがって となるかもです 金銭的なところで こんな高いものをって怒る 今までの醤油で十分おいしいのに なんで3倍も高い醤油を買うんだ みたいになるかもしれないですね 

 

私も結婚したばかりのころは お金なかったから とても そんな 高級醤油は買えなかったです

 

G)そうかー でも調味料なんて すぐなくなるものでもないし 何カ月ももつし

 

K)そうなんですよね 一度美味しい調味料の味を知ってしまうと 本醸造のね やめられなくなくなりますよね

 

医師の指導に従って 合成洗剤などを処分しましたが それについても散々なじられました

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

あー この習慣変えるっていうのは なんかこう嫌がる方が 多いみたいなんですよね・・・

 

そして整髪料をつけないでほしいと頼んだら罵倒されました

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G)えーなんでー 別に男のひとだし 髪型なんて何とでもなるから

 

K)ですよね これが たとえば奥さんが交通事故にあって歩けなくなったとかだと あー車いす押してあげなくちゃとか 思えるみたいなんですけど 化学物質過敏症は見た目は変わらないし 健康そうに見えるから 気のせいじゃないのか 何か言いがかりつけてないかって そんなふうに感じるひと多いみたいなんですよ

 

G)あ 気のせいと思うんだ

 

K)そういう人多いみたいです ついこの前まで元気だったじゃないか 何言ってるんだ 熱があるわけじゃないだろう みたいな感じになっちゃう 

 

G)ああ そしたら洗濯物の臭いも気のせい 調味料も気のせい 整髪料も気のせい

 

K)そうそう だからお金かかることを するんじゃない

 

G)悲しいですね

 

K)悲しいですね 林るりこさんの場合は 息子さんは理解してくれているみたいです

 

息子が2人います 幸い息子たちは化学物質過敏症について 理解しようとしてくれています

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G)すばらしい ありがたいことですよね

 

化学物質過敏症になって以来 恐怖に押しつぶされそうになることが増えました 特に恐怖を感じるのは 初めての場所で一人っきりの時 一人で何かをしなければならない状況の時です

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G)それは怖そうですね しかも周りのひとは 化学物質過敏症って何って感じだから

 

K)そうなんですよ 倒れたときに 助けにきてくれた人が 柔軟剤愛用者だったら 逆に死んでしまうかもしれない

 

G)うわ ホントですね ホントですね

 

K)だからといって 倒れているときに 「私は化学物質過敏症だから近寄らないで」 とも言えないし

 

G)パラドックス

 

K)まさにそうです 

 

説明しても理解してくれない人のそばにいると 恐怖感に苛まれます 怖いと感じるほど 症状が重くなります

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G)悪循環がはじまるんですね

 

今一番の悩みは 歯の治療ができなくなったことです 

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

 

K)大変ですね 直さなきゃいけないところが直せなくなるって言うのは 本当に怖いことで・・・ 場合によっては命にかかわりますから 

 

かかりつけだった歯科医院のドクター 柔軟剤くさくもないし 人柄も良いのですが 詳しい説明をしてくれません 何の説明もないまま 赤ちゃんでも使えるといいながら口の中へ 歯科材料をいれられた時 言いようのない恐怖感に襲われました

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G)たしかに 赤ちゃんにも使えるって あいまいな表現ですよね

 

K)赤ちゃんでもOKなのと 化学物質過敏症とは ちょっと違いますからね

 

G)安心安全ぽくは聞こえますけど

 

K)ちょっと違うんですよねー

 

ドクターに治療内容を訪ねても 使う予定の材料で異常が出た人はいないと しか言ってくれません 質問すればするほど 相手にされなくなっていきます その病院は片道1時間以上 車で片道1時間以上かかることもあり 病院を変えたいのですが どの病院も どんな薬剤や歯科材料に反応するか わからないのであれば大学病院に行ってくださいと尻込みされてしまいます 病院探しに疲れ果ててしまいました

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

K)私も経験あるんですけど 沖縄には化学物質過敏症の専門医がいないんですが それでもどこが助けてくれる病院はないかと思って 総合病院とか内科医院に 電話帳見ながら しらみつぶしに電話していったんですよ

 

そうすると 化学物質過敏症って何ですかって 病院の人に言われるんですよ お医者さんも知らない 看護師さんも知らない 化学物質過敏症をご存じのドクターがいないんです これは 本当に怖いことなんですよね

 

G)そうですよね このひと何言ってるんだってなりますよね

 

K)疫学調査によって 患者が推定1000万人もいることがわかっています

 

G)1000万人もいるのは やばいやばい ちょっとした風邪の流行なみですよ

 

K)ですね 1000万人のうち ほとんどの人が自覚なき患者だというところも ちょっと怖いんですよね 

化学物質過敏症は 喘息とかアレルギーとかウツとかを 併発しやすいです

化学物質過敏症とウツとは違うんですが ウツを併発する場合もあるらしく そうなると 診断名がつく病気の方がフォーカスされるので 隠れ化学物質過敏症の人が増える

 

G)なるほど だからウツだったらウツの対策ばっかり アトピーだったらアトピーばっかりやっちゃう

 

K)そうなんですよ アトピーだけの人は アトピー薬を塗ると治るかもしれないですが 化学物質過敏症の人は そもそも化学物質に過敏なわけだから 薬では良くならない可能性があるわけです

 

そういったことをお医者様にも 知っていただきたいのですが 知らない方ばかりです

 

だから このラジオもそうなんですけど 少しでも多くの人が(化学物質過敏症を) 知ってくれて リスナーの中にお医者様がいらっしゃってくれると ありがたいなぁと思っています

 

G) ですねえ お医者さ~ん 知ってくださ~い

 

 

食べられるものが 制限されるのも辛いです 野菜から気化してくる農薬臭によって 具合が悪くなりますが 有機野菜・無農薬野菜は高いです 2倍の値段がするので だんだん買えなくなりました カット野菜を買ってみたら 具合が悪くなってしまいました 

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

化学物質過敏症の専門医に 食物アレルギーがあると いわれたことから お米・大豆・卵・ごま・そば・鯖 を食せなくなりました

(林るりこさん 50代女性 2017年発症)

 

G)何も食べれませんね 主食のごはんを食べられないのは辛いですね 大豆だって 結構タンパク質あるし卵もね タンパク質源なのに 本当につらいですよねー

 

(後半に続く)

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K)続いて 他の方からのメールも読んでいきたいと思います。次のメールは 神奈川県にお住まいの 猫屋敷トラ子さん おととし2019年に 化学物質過敏症を発症された 50代の女性の方です

 

G)この人も最近の発症ですね

 

K)そうそう、ここ2~3年のうちに発症なさったという人 めちゃくちゃ多いんですよ 増えてます 2年前に  twitter でアンケートを取らせていただいたとき 6割以上の方が5年以内の発症だったんですよ 急増しています

 

G)本当に他人事じゃないですね みんな気をつけて みんなで気をつけましょう

 

K)猫屋敷とらこさん 

 

職場の朝礼では ものすごい香りが押し寄せてきて のどの痛みと共に 恐怖を感じます 動悸もあります 化学物質過敏症になってから 喉が痛まない日は ほとんどありません 隣の家の人が洗濯物を干したら 窓を開けていられなくなります 買い物や外出は楽しめなくなりました

(猫屋敷トラ子さん 50代女性 2019年発症)

 

 

K)大変ですね 買い物は日常生活で必要ですから もちろん外出もですが しかもこの方働いていらっしゃるわけですから 働けなくなると 今度は経済的にも 大変なことになってきますから

 

G)洗濯の香料 やっぱり多いですね 前のお便りの人も それ言ってましたね 窓開けたら 隣の人の洗剤の香りが・・・っていう

 

K) あるあるですね 最近の柔軟剤は 香りが長く残るようにデザインされていますから

 

G)そういう柔軟剤のコマーシャル多いですよね どういう原理で そんなに香ってるんでしょう 謎ですね

 

図書館の本にもニオイ移りしています 自分のマスクにも 他の人のニオイが移っています ある婦人科の待合室では 臭いに耐えられず 診察してもらうことをあきらめました

(猫屋敷トラ子さん 50代女性 2019年発症)

 

 

K)これもねー 場合によっては手術が必要かもしれない けれども そもそも病院に行けない だから放置しなくちゃならない  一大事ですよね

 

G)そうですよね 治そうと思って行った病院なのに ニオイでダメ

 

K)そうそう 病院って 消毒薬のニオイも かなりきついですから 私もやはり 一時期は 病院に近寄れないときありましたねぇ

 

街で人とすれ違うたびに 身構えてしまいます まるで人の周りに 香りのバリアが張られているようです

たとえ一香りが控えめであっても 有害な成分が使われているのか 喉が痛み始めることがあります

(猫屋敷トラ子さん 50代女性 2019年発症)

 

G)大変ですねー 人って絶対 すれちがうじゃないですか そのたびに恐怖を感じるなんて 生きることが怖くなってきますね

 

K)なんとかしなくちゃです この話 次回も続けていきたいと思います ギボンヌさん ありがとうございました

 

 

Ending

本日のテーマは化学物質過敏症

 

化学物質過敏症を苦しめるのは身の回りに氾濫する化学物質です 例えばタバコの煙 例えば洗剤や柔軟剤 例えばシャンプーの残り香など こういったニオイを吸い込んで気絶してしまうこともあります

 

化学物質は タバコの煙 家具や建材 寝具 化粧品 整髪剤 制汗剤 除菌スプレー 殺虫剤 加工食品などありとあらゆるものに含まれています

ここまで大量の化学物質を 浴び続ける生活が 当たり前になったのは ほんの数十年前のことです

人類500万年の歴史において初めての経験 未曽有の事態です

 

日本国内の患者数はこの10年で10倍に増えて1000万人と推定されています 化学物質過敏症は 誰でも発症する可能性があります

 

このペースで発症者が増え続けていくと 社会が成り立たなくなってしまう恐れすらあります 化学物過敏症を排除するのではなく ともに生きていける社会に していかねばなりません

 

この番組を通して 化学物質過敏症について考えてくれる人や 助けてくれる人が 増えていくことを願っています それが明るい未来にチェンジしていく力になると私は信じています

 

本日は リスナーの方からお寄せいただいた お便りを読ませていただきました

化学物質過敏症を正しく知って 自分の命 家族の命 そして生活を 守っていけるようになるといいなと思っています

 

リスナーの皆さんご視聴ありがとうございました また来週