2021年(令和3年)2月17日に新型コロナワクチン接種が開始されて以来、ワクチンの効果や副作用についての、公的機関発表のビッグデータが増えてきました。
2021年2月当時では、化学物質過敏症の元患者としては、この新しいワクチンについて、十分な治験が行われていないことから、ワクチン接種については様子見をしたいと、ラジオで発言してきました。
また、厚生労働省発表のデータ(2021年6月頃)を見ると、30代以下では重症化する人がほとんどいませんでした。
重症化予防効果と副作用リスクを天秤にかけた場合、若い人へのワクチン接種は、リスクの方が大きいのではないかとも危惧してきました。
それから1年が経ちました。
厚生労働省などが発表している公的なビッグデータが積みあがってきたこともあり、ここで、現時点での最新情報をシェアさせていただきます。
新型コロナワクチン 感染予防率の推移
新型コロナワクチンは、動物実験では、感染予防効果が高いという結果が出ていました。
接種が始まり、実社会における感染予防効果は、動物実験ほど高くはなく、また、新型コロナウイルスの変異にともなって、予防効果が低下していることが判明しています。
また、厚生労働省発表のビッグデータの集計方法に大きな誤りがあることがわかり、それについては、2022年4月11日から修正されています。
こうしたことを踏まえて、以下、感染予防率の推移をご覧になってみてください。
感染予防効果に関する厚生労働省の公式見解
~2021年2月 95%
薬事承認前に、海外で発症予防効果を確認するための臨床試験が実施されており、ファイザー社の従来ワクチンでは約95%、モデルナ社の従来ワクチンでは約94%の発症予防効果が確認されています。
(厚生労働省)
2021年3月~ 67-88%
デルタ株については、従来の株と比較してワクチンの効果が低下することが示唆されています。英国で行われた大規模な疫学研究では、ファイザー社の従来ワクチンの発症予防効果は88%、アストラゼネカ社のワクチンの発症予防効果は67%と報告されています。
(厚生労働省)
デルタ株
2020年にインドで報告された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株であるB.1.617.2系統の変異株(デルタ株)は, 2021年3月下旬に検疫で初めて検出され、4月に日本国内で感染者が確認されて以降, 8月中には大都市圏でゲノムが解読された症例の約9割がデルタ株になるなど, 急速に置き換わりが進んだ。
2022年2月~ 2回目接種から14-90日以内は44%
従来の1価ワクチンにおける、オミクロン株に対する感染予防効果については、米国で18歳以上を対象に実施された研究によると、モデルナ社の従来ワクチンを2回接種後14~90日後には44.0%であったところ、その後経時的に低下していくことが確認されています。
(厚生労働省)
オミクロン株
2022年2月頃に全国的にデルタ株からオミクロン株のBA.1系統に置き換わり、その後、さらにオミクロン株のBA.2系統に置き換わり、現在の感染の主流系統となっている。
インフルエンザウイルスは常に変異しています。
新型コロナワクチンは2021年2月にリリースされました。しかし、その直後にはデルタ株が出現し、ワクチンのターゲットとされていたウイルスに置き換わっていきました。
その結果、新型コロナワクチンの感染予防率は、当初宣伝されていたよりも下がってしまったのです。
デルタ株出現から1年後、デルタ株はオミクロン株に置き換わり、ワクチンの感染予防率は、更に低下していきました。
ワクチン未接種者の感染率について厚生労働省のカウント方法に不備があり修正される
以下、TBS系CBCテレビのウェブニュース 2022年6月22日(水) からの抜粋です
医療機関で感染者が見つかった場合、オンラインで国に詳細なデータを送ることになっています。
厚労省はワクチンの接種日が分からない場合、すべてを「未接種」、つまりワクチンを打っていない方に分類していました。
この指摘を受けた厚労省は4月11日の週から、接種日が分からないケースを「接種歴不明」に分類するよう変更しました。
修正後のグラフでは、ワクチンを打たずに感染した人の数が減って、2回目接種済みの人と同じくらいになっています。
名古屋大学名誉教授 小島勢二氏
集計方法が誤っていた数値をもとにしたグラフ
集計方法を正しく修正した後のグラフ
修正後のグラフでは、ワクチンを打たずに感染した人の数が減って、2回目接種済みの人と同じくらいになっています。
CBCテレビの取材に対し、厚生労働省は、「意図的な分類ではなかった」と答えましたが、結果的にこれまでワクチンの効果を高く印象づけていたことになります。CBCテレビ
この、集計方法が誤っていた件は、国会でも取り上げられていました。
交通事故死でもコロナ死となる!
交通事故死でも癌死でも、死亡時点でPCR検査が陽性であれば、「コロナ死」に計上されます。
東京都の死亡例を見ると、2月中旬では死亡日の当日と翌日に陽性であることが判明した人が全体の約半数を占めています。つまり、死ぬ直前まで新型コロナとは認識していなかった例が多いということです。
オミクロン株ではもともと寿命に近い高齢者が、癌や心疾患や認知症などが進行し衰弱して死亡する過程で、最後に新型コロナウイルスに遭遇した例が少なくないと解釈することができます。
高齢者は死んでもいいとは言いませんが、未来ある若者が死の危険にさらされる病気でない点は福音と言えることであり、コロナ死が多いという理由だけで騒ぐ必要はありません。山形県 新庄徳洲会 院長 笹壁 弘嗣氏
第6波の「コロナ死者」、3割の死因がコロナ以外…高齢者の持病悪化や老衰目立つ
新型コロナウイルス感染拡大の第6波で、「コロナ死者」として公表された人のうち、直接の死因がコロナではなかったとみられる人が3割前後に上ることが、一部自治体の分析でわかった。
感染者が死亡した場合、自治体は死因に関係なく「コロナ死者」として計上している。第6波は高齢の感染者がコロナ特有の肺炎などで亡くなるのではなく、持病の悪化や老衰で命を落とすケースが目立っている。
出典:読売新聞オンライン
ワクチン接種率と新規陽性者数
新型コロナワクチン1回目接種済95% 2回目接種済80% となって以降、新規陽性者が増えて、3回目接種済60%となって以降、新規陽性者数が激増しています。
ワクチン接種歴別の新規陽性者数
年齢にもよりますが、全体として、ワクチンを接種していない人の方が、陽性になる率が低いです。
厚生労働省:ワクチン接種歴別の新規陽性者数(8/22-8/28)
ワクチンの重症化予防効果
厚生労働省は、「新型コロナワクチンは、時間の経過とともに感染予防効果や発症予防効果が徐々に低下する可能性はありますが、重症化予防効果は比較的高く保たれていると報告されています」としています..
しかしながら、厚生労働省は、30代以下では、新型コロナウイルスに感染しても、重症化しないとも発表しています。
新型コロナワクチンの感染予防効果は低下する一方です。加えて、感染しても重症化しない30代以下の人には、「重症化を防ぐ」という効果も、それほどの重要性を持ち得ません。
新型コロナワクチン副反応
30代以下の、感染しても重症化しにくい年齢層においては、ワクチン接種前に、ワクチンの副作用を被るリスクについて、検討しておいたほうがよいかもしれません。
心しておくべきは、ワクチン接種した人の容態が極端に悪くなったり、あるいは死亡したとしても、ワクチンが原因であると特定するのは非常に困難であるという現実です。
新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した人が、国民全体の7割近くになり、効果も見られるようになっている。その一方で「副反応」に対する不安の声があがっている。厚生労働省によると、「接種後に死亡」と報告された人は1100人を超えるが、99%が「情報不足などで因果関係を評価できない」とされ、ワクチンによる副反応か否か判断できない状態となっている。
NHKクローズアップ現代 2021.10.21
医療機関の4割、コロナ後遺症に対応
患者7割超がワクチン接種後に感染
「第7波」受け、兵庫県保険医協会調査
神戸新聞 2022.10.19
新型コロナワクチン接種後の心筋炎、90日後で81%が回復
米国の予防接種後副反応報告システムを用いたCDCの調査結果
日経メディカル 2022.10.18
新型コロナワクチン接種後に11歳児が死亡
「因果関係は不明、ワクチン接種の継続に大きな懸念はない」
Yahooニュース 2022.10.17
日本国の総人口の推移
総務省統計局が発表している「総人口の推移グラフ」です。
社会的な大事件(福島原発事故・新型コロナ・新型コロナワクチン接種開始)があったときを境に、人口減少が加速していることが気になります。
政府機関、あるいは、統計学の専門家が、人口減少率と社会的大事件との因果関係について解析してくれると良いのですが・・・