2021年11月13・20日の2週にわたって、化学物質過敏症が劇症化して、家に住めなくなってしまっている方からのお便りをご紹介しました。
化学物質過敏症が劇症化①『明るい未来にチェンジ』2021/11/13
化学物質過敏症が劇症化②『明るい未来にチェンジ』2021/11/20
FM那覇 土曜日夜10時~10時26分 <明るい未来にチェンジ> 動画リスト
パーソナリティ
fc Kamioka : 一社) 化学物質過敏症・対策情報センター 代表理事
Gibonne : ジャズシンガー ギボタカコ
化学物質過敏症の方から、お便りをいただきました。北海道にお住まいの、あみんさん。2年前に化学物質過敏症を発症した、現在30代の女性の方です。
◆化学物質過敏症 前の家で発症
以前住んでいた家が、見た目はとても綺麗だったのですが、壁紙の下がカビまみれだったことが、体調不良になった、最初のきっかけです。
春になって、あたたかくなってきたら、一斉にカビの胞子が出てきて、家中がカビ臭くなりました。
私は気管支炎になり、副鼻腔炎になり、喘息になり、高熱を繰り返すようになりました。
何とかカビを取り除こうと、毎日のように、カビ取り剤、洗剤、除菌剤などを使って掃除をしていました。
その頃、職場で移動がありました。移動先は、ヘビースモーカーの喫煙者だらけの部署でした。
分煙対策もされていない部屋で仕事をしているうちに、化学物質過敏症を発症してしまいました。
◆化学物質過敏症 今の家で劇症化
今住んでいる家は、引っ越し当初は問題なかったのですが、下の部屋、向かいの部屋などから、柔軟剤、芳香剤、香水、殺虫剤などのニオイが、私の家の中にまで押し寄せてくるようになり、色々どうにもならなくなってしまいました。
幸い、下の階の住人が引っ越したので、押し寄せてくるニオイが落ち着いてきました。
色々出ていた症状のなかでも、死ぬかもしれないと思うほどの、心臓の痛みが和らぎました。
ところが、その部屋の修繕工事が始まり、クロスの張替えが始まった途端、今まで感じたことがないような感覚に陥って、部屋にいられなくなってしまったのです。
◆身体的症状
①階下の修繕工事が始まる前 常時
胃腸障害、下痢、吐き気、頭痛、怠さ、トイレが近くなる 筋肉に力が入らなくなる、微熱、寝込む、心臓の痛み
②階下の修繕工事が始まってから
喉の痛み、咳がとまらなくなる、目の痛み、鼻詰まり、頭痛、胃腸が焼けただれるような痛み、顔に発疹、腹痛、下痢、嘔吐、下肢に力が入らなくなる、筋肉の震え、倦怠感、微熱
◆生活への支障
・色々な身体症状が同時に出て、苦しくて、家にいるだけで辛いです。ダルくてまともな生活ができません。
・避難したいのですが、体調が一気に悪化したため、カラダはだるく、頭も痛く、家を出る支度をすることもままなりません。カラダが動かないのです。
・階下で修繕工事が始まってからは、洗面台や浴室のあたりが異様に臭く、締め切り換気をしました。今は、部屋中、どこにいてもしんどいです。
・困っているのは、お風呂にはいれないことです。温泉なども塩素臭いですし、他人が使うシャンプーや石鹸などの臭いにも反応するので、体を洗える場所がありません。
・洗濯も出来ません。かといって、コインランドリーは、これもまた他人が使う柔軟剤や洗剤が辛すぎて利用できません。
・食べるものがなくて困っています。一般のスーパーやコンビニに売られているものには、食品添加物、化学調味料、農薬などの問題があり、食べると具合が悪くなります。もちろん外食もできません。
・自炊するしかないのですが、異様なニオイがする洗面室の隣にキッチンがあるので、そこに立つことすら難しい状態です。
◆修繕工事
修繕工事は終わっていません。工事が終わっても、化学物質の影響はいつ消えるかわかりません。日に日に症状が悪化しています。不安と恐怖でいっぱいです。
◆仕事への支障
接客業をしていましたが、今は、接客できません。最近は、熱が下がらず、寝込むことが多くなりました。今まで通りには、働けなくなりました。
化学物質過敏症になると、何かとお金がかかるのに、仕事はできなくなる、行政支援も受けられない、の悪循環で、金銭的にも、どんどん苦しくなってきています。
化学物質過敏症は、診察してくれる病院が少ないので、医師に相談するにも、交通費などがかかるので、金銭的にも病院に行くのは難しいです。
◆ご家族の協力
家族は、遠方に住んでいるので、協力はしてもらえません。
また、化学物質過敏症について理解を得るまで時間がかかり、ようやく少しずつ理解してもらえるようになったものの、気をつけることが多く大変だし、お金もかかるからと、同居や援助は断られてしまいました。
私の体調については、説明しても理解してもらえないだろうからと、親戚にも内緒にされています。
◆管理会社の対応
以前、エントラスに芳香剤を置かれて苦しくなり事情を説明し、撤去するようお願いしましたが、対応してくれませんでした。
今回も、事前連絡もないまま、修繕工事が始まってしまいました。
修繕工事については、事情を説明してからは、作業中の換気をしてもらえるようになり、作業工程についても説明をしてもらえました。
お願いしたら、修繕に使ったクロスや接着剤など、商品名や配合成分についても説明してもらえました。
◆行政の対応
住む場所の代案は出してもらえたものの、少し前に天災で避難された方達との同居になるそうです。
化学物質の除去はできかねるから、入れるかどうか難しい、つまりは、避難場所はないとのことでした。
洗濯も条件に添うものは用意がない、難しい、引っ越しするほうがいい、より上の行政に相談したほうがいい、などと言われました。
上の行政では、最初から、地区外に引っ越しするよう、今の土地を出て探すように言われました。一切援助する手立てはないとのこと、考えてももらえませんでした。
地方自治体の「化学物質過敏症」相談窓口には、化学物質過敏症について知識がある人がいません。横浜のCS支援センターか、地元の患者団体につながるよう言われました。
今回の案件についても行政での対応は出来ないと言われ、他の課に回され、たらい回しされました。
事態が急変しすぎて、何も解決することができません。どうしたら良いのか、自分で調べてみても、解決策が見当たりません。
地方自治体の窓口には、震災などが起きたとき、自分は他の人と同じ避難所には行けないこと、断水がおきても、給水の行列に並ぶことができないなど、お願いをしている最中に、劇症化してしまいました。
いざという時の対応について相談している最中に、それこそ、緊急事態になってしまいました。どうすることもできず。右往左往しています。
症状は悪化するばかり、解決策はなく、先が見えません。生きることが苦痛です。
今回はこの様な機会を頂き、本当にありがとうございます。感謝しております。
自身の困り事ではありますが、同じような困り事を抱えてらっしゃる方や、周囲の方々や多くの方にも届いて欲しいです。