一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

酵素の働き

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素の働き

酵素は、生命活動に欠かせない物質です。

・食物の消化・分解・吸収
・呼吸
・運動
・思考
・自然治癒力

をも左右します。 生命活動に必要な化学反応は、酵素の仲立ちがあって、はじめて成り立ちます。

私たちは、酵素がなければ生きてはいけません。



トの酵素は75000種類

人体には約75,000、地球上のすべての生物には1000万の酵素が存在すると推定されています。Enzymes Are Essential for Life; Did They Evolve? | Evolution News


酵素は、特定の基質が、特定の物質に変化する速度を、大幅に向上させる「触媒」です。酵素がなければ、化学反応によって物質が変化する速度は非常に遅くなります。酵素なしでは、細胞内の化学反応が偶然に起こるまでに7,800万年かかるそうです。

生命維持に不可欠な、細胞内のすべての化学反応は、酵素によって可能になります。


素生成にかかわっているのは腸内細菌

酵素は体内で作られます。近年の研究によって、腸内細菌が、酵素を生成し、代謝に大きな役割を果たしていることが分かってきています。

 

 

腸肝循環


腸内細菌が産生する酵素は、腸肝循環において中心的な役割を果たしています。腸肝循環を受ける物質は、肝臓で代謝されて胆汁に排泄され、腸管腔に送られ、そこで腸粘膜全体に再吸収され、門脈循環を介して肝臓に戻されます。

ビリルビン、胆汁酸、コレステロール、エストロゲン、ビタミンDの代謝産物など、多くの内因性化合物は、腸肝循環を受けます。

ジギタリス、ジエチルスチルベストロール、モルヒネ、コルヒチン、リファンピン、クロラムフェニコールなどの薬物は、腸肝循環を受けて代謝されます。

 

Microbiology of the Gastrointestinal Tract - Medical Microbiology - NCBI Bookshelf
 

 

 

素の構造と機能

以下、Khan Academy が酵素の特性について説明した「Enzymes Review 」の和訳です。

 

酵素は触媒です。酵素は通常、タンパク質ですが、酵素として機能するRNA分子も存在します。

酵素は、反応の活性化エネルギーを低下させます。活性化エネルギーとは、反応が起こすエネルギーの必要量です。酵素は、より効率的な反応を起こすために、基質に結合します。

酵素と基質が結合する部分は「活性部位」と呼ばれます。活性部位では、酵素の形状がわずかに変化するため、基質にしっかりとフィットし、酵素/基質複合体が形成されます。

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素活性に影響する要因

酵素活性は、温度、pH、濃度など様々な要因の影響を受けます。

酵素は、結合できる基質が存在し、温度とpHが最適状態であるときに、もっとも活性化します。

温度:一般に、温度を上げると反応が速くなり、温度を下げると反応が遅くなります。しかし、極端な高温になると酵素の形状(変性)が失われるので、反応が止まる場合があります。

pH:各酵素には最適なpH範囲があります。 最適ではないpHにすると、酵素活性が遅くなります。極端なpH値は、酵素を変性させる可能性があります。

酵素濃度:結合できる基質が存在する限り、酵素濃度が高いほど反応が早くなります。すべての基質が酵素に結合されると、反応は終了します。

基質濃度:基質濃度を上げると、反応速度は一定水準までは早くなります。すべての酵素が結合すると、基質だけが増えても反応しなくなります。そこに酵素が産生されると、最高の速度で、基質と結合します。

 

くある間違いと誤解

酵素は「特異的」です。通常、各タイプの酵素は、1つまたは2、3の基質とのみ反応します。一部の酵素は他の酵素よりも特異性が高く、特定の基質を1つだけ受け入れます。他の酵素は、酵素が標的とする種類の結合または化学基を含む限り、さまざまな分子に作用します。

酵素は再利用可能です。酵素は反応物ではなく、反応中に使い尽くされることはありません。酵素が基質に結合して反応を触媒すると、酵素は放出され、変化せず、別の反応に使用できます。これは、各反応で、酵素と基質分子の比率が1:1である必要がないことを意味します。

 

 

 

www.khanacademy.org