一般社団法人化学物質過敏症・対策情報センター

推定患者数1000万人。化学物質過敏症と共生できる社会は、誰もが安心して暮らせる社会。

TILT 有害物質が誘発する不耐症 ~ 化学物質過敏症(MCS)

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QEESI 開発者 TILT研究者
写真出典:ドクター・ミラーのツイッターより


クター・ミラー

ドクター・ミラー(Dr.Claudia Miller)は、TILT( Toxicant‐Induced Loss of Tolerance :有害物質が誘発する不耐症)研究者です。彼女が共同執筆した論文はWHO(世界保健機関)のMacedo賞を受賞するなど、この分野における先駆者であり、世界トップクラスの研究者であり、QEESIの開発者でもあります。

喘息、自己免疫疾患、慢性疲労、線維筋痛症、ADHD、自閉症、化学物質不耐症(化学物質過敏症)、湾岸戦争症候群などの疾患を研究なさっています。

以下、ドクター・ミラーのサイトから
重要部分を抜粋し翻訳いたしました。


TILT
TILT( Toxicant‐Induced Loss of Tolerance:有害物質が誘発する不耐症)は、下記のように定義されています。
①第一段階
・大量の有害物質に、一度だけばく露する
・あるいは、少量の有害物質に、継続的にばく露する
②第二段階
以前は何ともなかった化学物質、食品、薬物によって症状が出る。
 

TILTが引き起こされる理由

第二次世界大戦後、家庭や職場で有機化合物が使われるようになりました。洗剤・香料・建築資材・農薬に使われる化学物質の多くは過去70年以内に「発明」されたものです。

この間、人間の遺伝子は変化していません。体内の解毒システムは、こうした新しい物質すべてに対応することができません。

化学物質へのばく露は、身体にも精神にも健康被害をもたらす可能性があります。発がん性物質へのばく露はその一例です。

私たちの90%は、一日の90%を、家、車、デイケア、学校、オフィスビルなど、密閉された「箱」の中で、1940年代まで存在しなかった有機化合物にばく露しながら、過ごしています。

「室内空気」こそが、化学物質にばく露する主原因のひとつなのです。
 
 
リガー物質

化学物質:
室内空気、新しい家への引っ越し、家やオフィスの改装、新しいインテリア、カーペット、塗料、合成香料、農薬など。

食  品:
トウモロコシ、小麦、牛乳、卵。農薬または化学合成された物質を含む市販食品。

薬:
投薬と医療用具。麻酔薬、インプラント、抗生物質、化学療法、薬物治療もまたTILTを誘発する。


学物質がTILTを引き起こす理由


私たちが吸う空気は、鼻を介して、脳へと直結しています。

化学物質や煙や排気ガスのような小さな粒子は、鼻の嗅神経から体内に取り込まれます。嗅神経は、私たちの鼻の内側に露出している、小さな末梢神経です。

嗅神経には、保護的な血液脳関門は存在せず、外部に露出しています。化学物質は、嗅神経を通じて、その先の嗅球へと運ばれます。

嗅球は、「臭いを感知する原始的な脳」である大脳辺縁系へ、たくさんの情報を提供します。

大脳辺縁系は、食べ物の摂取、子どもの世話、体温調節など、生存するための行動に関与しており、いくつかの重要な構造が含まれています。

•扁桃体:「感情の中心」とも呼ばれ、不安、うつ病、かんしゃくなどの気分を調節する。

•海馬:記憶力、注意力、集中力に関与。ここが損なわれると、一時的または恒久的に、道順や会話の内容、読んだことなど、短期記憶が失われたり、思い出せなかったりする可能性がある。

•視床下部:飲食や体温調節に関与。視床下部に異常があると、食欲、過食、肥満その他の依存症に関連した行動を招く可能性がある。


鼻を介して大脳辺縁系に流入する化学物質は、これらの構造を「感作」させる可能性があります。

ごく微量の同じ物質、あるいは、化学的な関係性のない物質へばく露し続けた場合に、症状が引き起こされます。

例えば、香料、農薬、溶剤、アルコール、カフェイン、そして食品も、呼吸器系、神経系、胃腸系などへの症状を引き起こす可能性があります。

TILTになってしまうと、1〜2回の呼吸によって症状がおこる場合があります。

TILT発症リスクは、個々人の遺伝子とばく露歴の組み合わせに依存します。