化学物質が神経系に与える影響が明らかになりつつあります。
3つの資料をピックアップし、概要を掲載いたしました。
本文は、リンクからお読みください。
日用品に含まれる化学物質が脳の発達を阻害する
日本でもアメリカでも、ADHD(注意欠陥・多動性障害)や自閉症など、神経発達障害と診断される子どもが爆発的に増えています。
ADHDの有病率は報告によって差があるものの、日本では、学童の3-7%程度と考えられています。
近年の研究によって、ADHDなど発達障害の原因が、環境汚染にあることが判明しつつあります。
ビスフェノールA(BPA)、フタル酸エステル、ペルフルオロ化合物、臭素系難燃剤や様々な殺虫剤など、脳の発達への影響が調査されている化学物質のうち多くが、健康な脳の発達に不可欠なホルモンの働きを阻害するというのです。
環境ホルモンによるかく乱
環境ホルモンは今まで、精子や卵子に悪影響を及ぼし、不妊や子宮内膜症をおこすなど生殖機能を阻害するとされてきました。
それに加えて、脳機能にも悪影響があることが指摘され始めています。正常な脳を作り上げるための一連の遺伝子発現は、環境由来の化学物質によってかく乱されやすく、脳のどの部分の発達がどの時期にどの程度傷害されるかによって、子どもや若者の知能・行動が、様々な症状でおかしくなるというのです。
数十年前に化学物質にばく曝露した世代による子供への虐待など、子育て行動がうまくいかない親の問題も、化学物質による性ホルモン系のかく乱と全く関係ないとはいいきれないそうです。
環境化学物質汚染による脳の発達障害~日本社会の持続を支える人的資源の劣化の恐れ
環境ホルモンによる子どものIQ低下は国家的損失
身の回りの環境ホルモンが、子どもを多動にしたり、IQを低下させたり、攻撃的する要因の一つになっています。
2015年3月、米国とベルギーで同時に発表された内分泌学会のプレスリリースには、内分泌かく乱化学物質への曝露は、不妊や生殖機能障害、肥満や糖尿病、子どもの神経・行動異常やなどの病気を増加させると書かれています。
EU内での医療費やその他の機会損失などを計算すると、年間約1570億ユーロ(約20兆円)の経済的損失になるとのことです。
環境ホルモンの使用が増えれば増えるほど、長期的には国は大きな経済的なコストを支払わなければならないことを示しています。